素振りでは「手を意識したらダメ」 強打を生む“揺らし”…元MLB戦士が説く芯の意識

春日部青年会議主催の野球教室で指導する川崎宗則【写真:片倉尚文】
春日部青年会議主催の野球教室で指導する川崎宗則【写真:片倉尚文】

日米1526安打の川崎宗則が伝授…重要なバットを揺らしてヘッドを感じる意識

 かつてダイエー・ソフトバンクやメジャーリーグで活躍し、現在はルートインBCリーグ「栃木ゴールデンブレーブス」に所属する川崎宗則内野手が打撃の“基本”を小学生に授けた。バットの芯を感じて振ることやタイミングの取り方、素振りの方法などを分かりやすく伝えた。

 川崎は9月15日、埼玉県春日部市の「春日部青年会議所」が創立60周年事業として開催した講演会と野球教室に参加。講演会後に開いた野球教室で約50人の小学5、6年生を指導した。打撃で最初に伝えたのは、バットの芯の部分を感じること。「バットを知ることが大事。芯は必ず触ってください」と訴えた。

 野球のバットは根元のグリップを握る。芯でとらえることが何よりも重要だが、握った部分に意識が向いてしまう子どもが多いという。「手を意識したらダメです。とにかく芯を意識してください」。

 そのためには自分で芯部分に触れることも重要だと力説。「プロ野球選手はバットを振る前に芯を見たり触ったりしています。そうすることで芯を感じているのです」と子どもたちに語りかけた。

 構えた際、手の部分に力が入っていては芯を感じにくい。「ぎゅっと握るより、優しく握る方がいいです。バットを揺らしてみます。そうすると(ヘッド部分の)重みを感じます。揺らせば芯がどこにあるか分かります。芯を知ることが大切です」と続けた。

 タイミングの取り方では「1、2、3」の単調なリズムにならず、2と3の間に「の」を入れて「1、2~の~3」にすることを推奨。素振りでは高めの次は低めなど高低やコースを変えること、相手投手を具体的にイメージして振ることなどを説いた。「大事なのは素振り。僕は毎日やっていました。工夫して(コースや相手投手を)イメージして振ってください」と呼びかけた。

 さらに、振る勇気の重要性も強調。「バットを持ったら芯を揺らして思い切り振ってください。野球はボール球でもヒットにしたら大丈夫な競技なんです。まず振ることを覚えてください」と力を込めた。

 2004年に最多安打のタイトルを獲得するなど日米通算1526安打をマークし、44歳の今も現役を続ける川崎。そんなバットマンの金言を、子どもたちは目を輝かせて聞き入っていた。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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