盗塁成功は「減速」の技術が鍵? “単純なランメニュー”が走塁能力を高めるワケ

盗塁の成否を分ける“加速と減速の繋ぎ”の重要性とは(写真はイメージ)
盗塁の成否を分ける“加速と減速の繋ぎ”の重要性とは(写真はイメージ)

安福一貴氏が解説…脚力アップの秘訣は「緩やか接続」の技術

 盗塁は得点圏に走者を進めることを目的とし、小学校世代でも有効な戦術だ。チームとして成功率を上げられれば、得点の可能性は大きく広がる。西武で4年連続盗塁王に輝いた片岡易之(当時、現・保幸)さんをサポートしたプロトレーナー・安福一貴さんが紹介する走力アップトレーニング「アクセレーション&ディセラレイトスプリント」は、一見単純な動きだが、試合中の対応力を高め、故障のリスクも減らすトレーニングだ。

 盗塁の成否を分ける一瞬のスピード。その裏には緻密な技術と練習が隠されている。「アクセレーション&ディセラレイトスプリント」は、スタートから1個目のコーンまでダッシュ、そこから少し減速し、次のコーンから再び加速するというシンプルなメニューだ。この中で重要なのは「全てを緩やかに繋げて行う」ことだと安福さんは解説している。

 ダッシュと減速を交互に行うことから「メリハリを付ける」ことが目的と思いがちだが、加速と減速を「緩やかに繋ぐ」ことがポイントになる。安福さんはこの練習法の意義を「なんとなく減速した、なんとなく加速している」といった感覚を身につける練習と話す。野球では、盗塁だけでなくさまざまな場面で減速や再加速が求められるため、この動きを習得しておけば試合中の対応力につながるという。

 また、減速の仕方を誤ると足に負担がかかり、怪我のリスクが高まる。安福さんは「減速トレーニングをしていないと、実際のプレーで負荷に対応できず筋肉を傷めてしまう」可能性があると指摘。怪我のリスクを軽減すると同時に、正確で効率の良い足の使い方を学ぶ場にもなる。

 ダッシュの一種に過ぎないようなトレーニングだが、意識するポイントを守り続けることで、確実に試合で活躍できる選手に成長する。毎回の練習が小さな進化の積み重ねとなり、さらに具体的な技術やコツを学ぶための土台を作ることにつながる。

(First-Pitch編集部)

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