“野球センス”を磨く小学生の育て方 中南米にヒント…「リズムトレ」が技術向上に効果大なワケ

アラボーイズ代表の筒香裕史氏【写真:伊藤賢汰】
アラボーイズ代表の筒香裕史氏【写真:伊藤賢汰】

DeNA筒香の兄・裕史さんが代表…「和歌山橋本Atta boys」が実践するリズムトレ

 DeNA・筒香嘉智外野手が故郷の和歌山に設立した少年硬式野球チーム「和歌山橋本Atta boys(アラボーイズ)」は“スケールの大きい”選手育成に定評がある。筒香の実兄でチームの代表を務める兄・裕史さんは技術だけでなく、体の動きを高める様々なトレーニングを取り入れている。

 アラボーイズでは自主性を求め、将来に繋がる基礎体力向上や人間教育に力を注いでいる。その中で、ウオーミングアップで取り入れているのが「リズムトレーニング」だ。ドミニカ共和国を訪れた際、地元の選手が音楽に合わせて踊る姿からヒントを得たという。

 決まった振り付けを行うこともあれば、2人1組で動きを合わせることもある。これは選手間の絆を深める効果も期待できる。子どもたちがリズムを体で覚えることで、実際の守備や打撃、投球動作もスムーズになる仕組みだ。

 このトレーニングの大きな特徴は、子どもたちに自由な発想を促す点にある。「最後の方とかはもう、自分の好きな動きをしなさいみたいな。なんかちょっと自由さも与えながら」と裕史さん。型にはめず、子どもたち自身が考えて動くことを重視している。体の使い方を自身で工夫することは、試合中の予測不能な状況でも対応できる力になる。

 アラボーイズは「自分たちで考える」を最大のテーマに掲げている。「極力、自分でこれがいいなと思って試すとか。たとえ失敗してもすごく価値のあること」というのが裕史さんの考え。ただし、ゼロから全てを自分で考えるのは難しい。まずは基本的な動きを教え、徐々に自由度を高めていく指導法を取っている。

 リズムトレーニングを練習に取り入れることで、体の動かし方が洗練され、プレーの質は向上する。さらに「思うように体を動かすとか、こういう動きと合うんじゃないかと頭の中とつなげたり」する過程で、野球センスも磨かれていく。子どもたちが楽しみながら、将来に繋がる実践的な技術を身につけられるトレーニングと言えるだろう。

(First-Pitch編集部)

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