肩を痛める原因は「肩甲骨の角度」 “反りすぎ”はNG…綺麗なテークバック習得ドリル

スムーズなテークバックにつながる肩甲骨の使い方とは(写真はイメージ)
スムーズなテークバックにつながる肩甲骨の使い方とは(写真はイメージ)

肩の痛み、実は間違った回し方が原因? プロも警鐘を鳴らす“代償動作”の危険性

 投球動作の基礎は正しいテークバックから始まる。投球・送球によって肩肘の痛みに悩まされる原因の1つに「肩甲骨の使い方」があるかもしれない。口コミだけで人気が広まった東京の野球専門トレーニングジム「SSL ATHLETES HOUSE GYM」代表の船木永登さんは「肩は野球に欠かせない部位。インナーマッスルが大切だと言われますが、そもそもいくらトレーニングしても、正しい位置で肩を回せていなければ怪我にも繋がります」と指摘する。スムーズなテークバックにつながる肩甲骨の使い方とは?

 船木さんが教える肩の使い方には重要なポイントがある。「肩甲骨を使ってスムーズに腕が上がるのは、頭上から見て肩甲骨面が30度の角度になります。肩甲骨は30度の角度でついているので」。体の構造を理解した上で腕・肩を動かすことが大切で、小学生のうちから教えておきたい基本中の基本といえる。

 この“30度の角度”を体に染み込ませる肩回しドリルは、実にシンプルだが奥深い。まず、両腕を横に広げてグルグルと回すが、NGなのは「背中側に腕を反らせて回すこと。それは30度の肩甲骨面上に対して後ろに下がってしまっている」と船木さんは指摘。後ろに反って上げるのは、肩甲骨ではなく他の筋肉が代わりに動かす「代償動作」を使うことになり、肩を痛める要因になってしまうのだ。

 真横に上げるのでも、実は反りすぎている。感覚的には「思ったより前のイメージかもしれない」と船木さんが言うように、自然にすっと横に腕を広げた角度が、実は自然で理想的な角度になるのだ。普段、思い切り背中を反るようにして腕回しをしている子どもは気をつけた方がいいだろう。次に肘を曲げて鎖骨付近に手をつけ、同様に肩回し。「30度の肩甲骨面上が、一番体や肩にとってストレスない位置」である意識づけをしていく。

 ドリルは単純だが、効果は絶大だ。「これができると、投球・送球の時に自然な形でテークバックも入るようになる。NPBのトップ選手やMLBで活躍している選手は、間違いなくみんなそこがきれいにできています」と船木さん。上のレベルを目指す少年・少女たちにとって最初に身につけるべき基本技術といえるだろう。

 負担も少ないので、毎日のウオーミングアップに取り入れるだけで、怪我予防とパフォーマンス向上の両面で効果が期待できる。子どもの野球人生を長く健康に導くためにも、今日から実践してほしい。

(First-Pitch編集部)

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