少年野球の弁当作りが「つらい」 調理だけでない…父や子には見えない“負担の全貌”

早朝調理から後片付けまでが野球ママの「お弁当作り」の全工程
週末の早朝、家族がまだ寝静まっているキッチンで、お弁当作りに励む――。愛情を込めて作っているはずなのに、正直「つらい」と感じてしまうことはありませんか? 早起きして栄養バランスを考え、彩りよく詰め、そして試合が終わってクタクタになって帰宅した後には、泥と汗にまみれた巨大な弁当箱と水筒の洗浄が待っている……。この終わりなきようなループに、心が折れそうになる瞬間もあるでしょう。First-Pitchのポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」の中で経験者が、そうした負担の減らし方を語りました。
お弁当作りは、単に「作る」という行為だけではありません。あるママはその全貌をこう語ります。
「持って帰ってきてからお弁当箱を洗う、水筒を洗う……。それを洗って干して、乾かして、そこまで全部が“お弁当作り”の一連なのに」
多くの家庭では、この「作る」以外の工程、特に後片付けの部分は“見えない労働”になりがちです。朝、完成したお弁当を見るだけで、その前後の大変さをなかなか理解してくれません。「火曜日にカビの生えた弁当箱を発見」なんていう、笑えない「あるある」に頷くママもいるのではないでしょうか。
さらに、子どもが複数いたり、中学・高校とステージが上がったりすると、お弁当への“要求”は増すばかりです。「炭水化物はお米1キロを入れてください」といった栄養指導や、夏場の食中毒対策、アレルギー対応など、考慮すべき点は山積み。学年が違えば「下の子はそば、上の子はガッツリ飯」といった具合に、メニューを個別対応する必要も出てきます。この複雑で過酷なタスクを、毎週末こなしている保護者たちの努力は計り知れません。

コンビニ弁当詰め替えは手抜き? 完璧じゃなくていいという“許し”
では、この「つらさ」から少しでも解放されるには、どうすれば良いのでしょうか。ポッドキャストで語られたヒントは「完璧を目指さない」「頑張りすぎない」という心の持ちようです。
例えば、メニューはシンプルでも良いのです。あるママの定番は「塩むすびか梅干しおにぎり」。これに具だくさんの豚汁やスープを保温容器で持たせれば、栄養もボリュームも満たされます。毎回、栄養士のように完璧なバランスを考える必要はありません。ゆるい気持ちで臨むことが大切です。
朝どうしても起きられない、忙しくて時間がない。そんな時は、コンビニや市販のお弁当に頼ることも、決して悪いことではありません。チームによっては「手作り」が求められる雰囲気があるかもしれませんが、そんな時は「コンビニで買ったものを綺麗に詰め直す」という方法もあります。
あるママはこれを「愛情を詰め直す作業」と表現。完璧な手作りでなくても、ルールの中で最善を尽くそうとする気持ち、それ自体が立派な愛情の形です。「うち、明日は“お弁当屋さん”だけど、みんなどう?」と、周囲の野球ママを巻き込むことで、罪悪感を軽減するテクニックもあります。
お弁当作りの負担を物理的に減らす工夫も有効です。食洗機対応の弁当箱を選ぶ、水筒のパーツが少ないものにする、そして何より「自分の弁当箱は自分で洗う」というルールを家庭内で徹底すること。子ども自身に後片付けの一部を担わせることは、自立を促す良い機会にもなります。
お弁当作りは、愛情表現であると同時に、保護者の負担にもなります。罪悪感を手放し、無理のない範囲で、自分らしいやり方を見つけることが、長く続く野球ママライフを笑顔で乗り切るための鍵となるでしょう。
◇ポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」は各種音声リスニングサービスでお聞きいただけます。
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(First-Pitch編集部)
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
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