少年野球チームに多い「懇親会」…出席は必須? 母親関係を難しくする“見えない圧力”

少年野球チームの付き合いで適切な距離感とは(写真はイメージ)
少年野球チームの付き合いで適切な距離感とは(写真はイメージ)

少年野球界の“独特なコミュニティー”との上手な付き合い方

 子どもの野球を応援する日々は、グラウンドの中だけで完結しません。むしろ、グラウンドの外で繰り広げられる「ママ友」「パパ友」など複雑な大人の人間関係に、心を疲弊させている人も多いのではないでしょうか。「ボスママはいるの?」「あの飲み会は参加必須?」……。そんな不安が頭をよぎり、子どもの活動を素直に応援できないとしたら、本末転倒。独特のコミュニティーで気疲れしないためには、どのような心構えで「距離感」を掴んでいけばよいのでしょうか。First-Pitchのポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」の中で経験者が語った話から紐解きます。

 チームという“閉鎖的”なコミュニティーでは、独特のローカルルールや序列が生まれがちです。その1つが「呼び方」の問題。番組では、入った年数や経験によって、野球ママ同士の呼び方が「ちゃん」付けだったり「さん」付けだったりすることが話題に上がりました。特に、野球経験のある子どもが複数いるママだと、自然と「〇〇さん」と呼ばれて“先輩感”が出てしまい、質問されることが多くなると言います。この無意識の線引きが、新米ママにとっては「あの人には逆らえない」といったプレッシャーや、見えない序列を生む温床になることもあります。

 人間関係の悩みをより具体的にするのが「参加の強制力」です。ベテランのママでさえ、入部当初は「懇親会(という名の飲み会)に出ないと情報に遅れるのではないか」と不安になり、参加すべきかどうかの判断に苦労したと言います。

 あるベテランママは、自身の経験を振り返り「最初の頃は(懇親会に)行った方がいいのかなと思っていた。でも途中から『違う』と思って、慣れじゃないけど、色々わかったら、これは出なくていいんだっていうことが(わかった)」と悟ったと言います。最初は誰しも、コミュニティーのルールがわからず不安になるものです。しかし、経験を積むうちに、「これは重要な会(卒団式など)」「これは単なる懇親会」といった自分なりの判断基準が育っていきます。

 大切なのは、最初から完璧に馴染もうと無理をしないこと。そして、チームの主役はあくまで子どもたちであり、親の人間関係のために子どもが野球を楽しむ権利を奪ってはいけないと心に留めておくこと。それが、卒団までの長いようで短い期間を、健やかに乗り切るための最大の防御策となるはずです。

「参加しない」が怖い…飲み会と当番

 また「自主的な参加」がもたらす“圧力”も感じるという声もあります。最近では当番制がなくなったチームも増えましたが、「当番がなくても行く(人はいる)じゃないですか……。それをプレッシャーに感じる人がいるかも」という新たな悩みも。チームのためにと自主的にグラウンドに足を運ぶ熱心な保護者がいる一方で、仕事や家庭の事情で行けないママが「行かないのはまずいのでは」と負い目を感じてしまう。この「見えない圧力」こそが、野球ママの人間関係を難しくしている要因の1つと言えます。

 しかし、ここで視点を変える必要があります。当番でもないのにグラウンドに来ているママたちは、誰かに強制されたわけではなく、シンプルに「子どもの成長が見たいから」「好きで行っている」だけかもしれないのです。彼女たちに悪気はなく、むしろ、この悩みをクリアするためには、それを見てプレッシャーを感じてしまう「受け手側」の心のアップデートにあるのかもしれません。他人は他人、自分は自分。この割り切りこそが、気疲れしないための第一歩なのでしょう。

◇ポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」は各種音声リスニングサービスでお聞きいただけます。

Spotify
https://open.spotify.com/episode/21XwVVrdV41p6Vjlhn2QSu

Apple Podcast
https://x.gd/o3JVn

Amazon Podocast
https://x.gd/HG9sc

Standfm
https://stand.fm/episodes/68f5f9124852b1842b4aaee2

(First-Pitch編集部)

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

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