フルスイングしても飛距離が出ないのはなぜ? 力強い打球を生み出す“呼吸と股関節”

股関節は下半身の力を上半身に伝える中継点…可動域を広げるストレッチ
思い切り振っても打球に力が伝わらない――。多くのトップアスリートをサポートしてきたストレングス&コンディショニングコーチの仲田健さんは、股関節の柔軟性不足を一因に挙げる。「股関節は肩関節と一緒で、すごく大きく動きます」。下半身の力を上半身に伝える股関節の柔軟性が不足していると、いくら足やお尻を鍛えてもバットに力が伝わらないという。
仲田さんの指摘は明確だ。股関節について「筋肉を上半身、お腹、腕に伝える中継点になります。柔軟性がないと足やお尻の力を伝えられないので、すごく重要です」。プロ野球選手でも股関節の柔軟性が低下すると打撃フォームが崩れ、飛距離が伸びなくなる現象が起きる。小学生の段階から意識すべき重要ポイントになる。
そこで、仲田さんは股関節の柔軟性を高めるストレッチを紹介している。まずは四つん這いになり、両膝を外側に広げる。膝を曲げる角度を90度より少し寄せるのがポイント。この状態をキープし、次の動きを加えていく。
腕は地面と垂直に、手は少し前の位置につける。ここから息を吸って吐きながら後ろに腰を下げていく。「呼吸を意識しながら行うことが重要です」と仲田さん。この動きを繰り返すことで硬くなった股関節周りの筋肉がほぐれるので練習前に行うと、より効果を実感できるはずだ。
5回から10回をワンセットにして、週3回程度行うことで股関節の柔軟性は高まっていく。このストレッチを習慣化することで、打撃は大きく変わっていくだろう。
(First-Pitch編集部)
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