強制不要も見逃せないスイングのNG動作 大人の「こうあるべき」が“個性”を潰す可能性

バットを持って構えた姿が「その子にとって振りやすいフォーム」
野球を始めたばかりの子どもがバットを持った時、どのように構えるのか。プレー経験のある指導者や保護者であれば、すぐに“正しい形”を教えたくなるだろう。巨人や第2回WBCで日本代表のチーフスコアラーを務めた三井康浩氏は、打撃フォームについて「その子に合った振り方を尊重するのが上達の早道」と語る。子どもの「個」を受け入れ尊重する考え方と、早い段階で修正すべき注意点について解説している。
打撃フォームを教える際、最初から構え方を強制する必要はない。初めて子どもにバットを持たせると、バットを高く構える子もいれば、寝かして構える子、低いところに構える子など様々だ。三井氏は、どの構え方でも「全く構いません」と問題にしていない。
バッティングの基本動作について触れる際も、個性を尊重する姿勢が重要だと説明。「その子に合った振り方、体の動かし方を尊重してあげるのが上達の早道だと思います」と語る。
「個」を尊重する中で、注意すべき点も紹介している。バットを振り出す手の位置に関しては「構えている位置よりも(グリップが)低くなって出てくる。これだけは、注意してあげましょう」と指摘。スムーズにスイングするための、“始動”の際のNG動作は大人が確認して修正してあげることが重要だ。
指導するうえで重要なのは、否定するのではなく、子どもの成長に寄り添う姿勢だ。野球の楽しさを損なわないよう意識しつつ、必要な部分だけを適切に修正する。それこそが、子どもの才能を伸ばす最良のアプローチだろう。
(First-Pitch編集部)
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