球速アップに不可欠な“足裏感覚” 低学年から磨かないと損…元プロが勧める簡単練習

元プロたちが説く足裏と指の感覚の重要性と練習方法
球速アップには土台となる「足裏」や「足指」の感覚が大切になってくる。現代の子どもたちは裸足で遊ぶ機会が減り、投球でも打撃でも、地面反力をうまく生かせない懸念がある中、プロ経験者の視点から“足元を磨く”重要性と練習方法を整理してみよう。
・地面を押す際に意識すべき部位はどこか。
・足裏の感覚を、道具を使ってどのように養うか。
・パワーを生む足指の動作とは、どのようなものか。
元楽天投手のトレーナー・土屋朋弘さんは、自分の体をイメージ通り動かす「コーディネーション」能力を重視し、子どもたちに指導している。特に5歳から8歳の“プレ・ゴールデンエイジ”に神経系を伸ばすことが大切だという。しかし最近は裸足で歩く機会が減り、地面反力を得るのに重要な「母指球」の使い方がわからない子が多いと懸念。母指球が使えれば、投球でも地面を押し込む感覚が身につくと語っている。改善策として、母指球を意識してリズム良く行う連続ジャンプなどを推奨しており、継続することで野球の基本動作の向上につながるという。
元ヤクルトで161キロを記録した由規さんも、地面からの力を投球につなげるには足裏が大事だと述べている。特に投手は傾斜のあるマウンドで着地するため、地面をつかむ感覚が必要になってくる。自宅でできる練習として、ボールなどを足裏で踏んだり、足の指でつかんだりする動きを紹介。これにより足裏の感覚が養われ、投球時に地面を捉える感覚が「成長すると共に分かってくる」という。普段から5本指ソックスを履くなど、足指への意識を日常に取り入れることも有効な手段と言えそうだ。
元プロ投手で野球塾で指導をする長坂秀樹さんもまた、球速アップには「足の指を使う」ことが欠かせないと指摘している。現代の子どもは足裏のアーチが崩れがちなため、指をしっかり開くことが重要だという。推奨するのは、足指を開閉して進む「指歩き」や、足指でタオルをつかむ「タオルギャザー」。スパイクの中でも指で地面をつかむ動きができれば、パワーを引き出せると語っている。地味なトレーニングに見えるが、自宅での小さな積み重ねが、ライバルとの差を広げることにつながると言えそうだ。
足元の強化は地味だが、トップレベルを知る指導者ほど、その重要性を強調している。技術練習の前に、体の一番下の土台となる感覚を養う視点を持ちたい。
・母指球を意識したジャンプで地面を押す感覚を養う。
・ボールを足裏で踏んだり、指でつかんだりして、地面を捉える感覚を磨く。
・スパイクの中でも足指で地面をつかみ、パワーを引き出すためのトレーニングを継続する。
(First-Pitch編集部)
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