小学生から“硬式を握る”メリットは? 圧倒的少数も…米挑戦18歳が力説「スイングも違う」

「MLB CUP」の本塁打競争に登場した森井翔太郎【写真:上野明洸】
「MLB CUP」の本塁打競争に登場した森井翔太郎【写真:上野明洸】

硬式少年野球5リーグ所属の小学6年生以下を対象にした「MLB CUP 2025」が開幕

 硬式少年野球5リーグ所属の小学6年生以下の選手を対象にした「MLB CUP 2025」が22日、滋賀・マイネットスタジアム皇子山で開幕した。この日は、アスレチックス傘下マイナーの森井翔太郎内野手、元メジャーリーガーのマック鈴木氏、五十嵐亮太氏がゲストとして登場。将来、野球界を担う“金の卵”たちに金言を送った。

 この日は開会式が行われ、ゲストの森井がホームランダービーに登場。柵越えこそならなかったが、集まった小学生たちに“本物の打撃”を見せつけ歓声を浴びていた。森井は小学生時代に東京の「武蔵府中リトル」に入団し、4、5年時には同大会で連覇した過去を持つ。当時の思い出を振り返りつつ「高校を含めて、学生の野球の中で一番印象に残ってる大会。やっぱり1年間ここに向けて準備してくるので」と、子どもたちにエールを送っていた。

 この大会は今年から、小学生から硬式球でプレーするリトル、ボーイズなど5団体所属の6年生以下が対象となった。小学生は軟式の競技人口が多く、硬式球でプレーする選手の数は圧倒的に少ない。子を持つ保護者も、どちらからスタートさせるか迷うことが多いという。

 リトルリーグでプレーした森井は「まず、プロは軟式ではないので。自分が目指すところがNPB、メジャーを目指してたので、そこの人たちが使ってるボールを早くから触れること。スイングもやっぱりちょっと違ったり、ボールを叩くところも違ったりするので、そういうところに早く慣れる」と、自身の経験を踏まえながら硬式球のメリットを口にしていた。

 また、ヤクルト、ソフトバンク、メッツなどで活躍した五十嵐氏は「全力で取り組む」姿勢の大切さを熱弁。昨今は理論や情報が簡単に手に入る時代になったが「もちろん考えることも大事なんですけれども、やっぱり何か自分がステップアップしていく上で“限界を超えていく”ところも大事。今の時代は監督・コーチもきっと優しくなってるでしょうし、自分からやるしかない時代。自分で追い込めるように意識することも大事」と、様々な情報を取捨選択し、目標に向け自らを追い込む必要性を説いていた。

開会式で挨拶するマック鈴木氏【写真:上野明洸】
開会式で挨拶するマック鈴木氏【写真:上野明洸】

マック鈴木氏は小学生のレベルに驚き「準備がしっかりできている」

 16歳で渡米しメジャーリーガーに成り上がったマック鈴木氏は、この日集まった小学生たちのレベルの高さに驚きを隠せない様子だった。プレーの技術はもちろんだが「最近の子どもはやっぱりその準備とか、そういう何かに取り組む前の入り方がすごく用意されている。準備がしっかりできているアスリートが増えてきていると感じますね」と、関心していた。

 最後に森井は高い志を持つ小学生に向け「やっぱり自分を見失わないこと。環境が変わったりしたら、考え方とか、もちろん変わると思うんですけど、そこに順応することも大事ですが、自分の考えというか、芯は本当に図太くていいなと思っている。本当に自分が『こうしたい』って思ったら、それを貫けるような選手になってほしいです」とエールを送っていた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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