ボールボーイや控え選手も“選出チャンス” 全128チームから…宮本慎也氏がこだわるMVP

「宮本慎也杯」では全試合でMVP選出…“控え選手”にもチャンス
試合に出場しなくても“MVP”の可能性がある。「アルパインプレゼンツ 第10回宮本慎也杯 学童軟式野球大会」の3位決定戦と決勝戦が11月22日、東京都大田区の大田スタジアムで開催された。128チームが参加した同大会では、MVPに相当する「宮本慎也賞」が全試合で1人ずつ選出された。大会長で元ヤクルトスワローズの宮本慎也氏が、同賞の内容を説明した。
「毎試合MVPを選出しています。活躍した選手も見ていますが、ボールボーイだったり、バット引きを素早くやって声を元気よく出していたり、コーチャーもそうですし、そういう部分も全部含めて選出しています」
決勝戦は両チームから選出するが、それ以外は基本的に負けたチームから選ぶ(準決勝敗戦時に選出されているチーム同士が対戦する3位決定戦は選出なし)。出場した全128チームから必ず1人ずつ選出される仕組みとなっている。
試合での活躍だけがポイントではない分、時にはイレギュラーなことも起きる。「時々、元気がいい選手が『2年連続でもらいました!』っていうんですよ。100試合以上やっていると、1年経ったら忘れてるじゃないですか。だから、そういうこともあります」と笑いながら説明した。

全試合を審判4人制で開催、同じユニホームを着用
審判の起用にもこだわりがある。「ユニホームは全部そろえています」。全128試合を審判4人制で行い、全員が同じユニホームを着用する。学童野球では保護者らがジャージー姿で審判を務めるケースも多いだけに「チームから審判を出さなくていいのは、ありがたいことではないでしょうか」とうなずいた。
他の大会などでは球審と塁審1人だけの2人制や、塁審2人の3人制の場合もある。それだけに本格的な審判が4人そろった試合を経験できるだけで、子どもたちには大きな思い出にもなるはずだ。
試合会場は基本的に宮本氏サイドで押さえている。ただ、他の大会と重なるなど、どうしても日程的に厳しい時がある。その際は参加チームの自主開催となるが、必ず審判1人を派遣している。MVPを選出するためだけでなく、参加チームの負担を軽減する目的がある。
審判のアクションも「お任せです」という。「ストライク、ボールのジャッジの仕方も他の大会は結構制限されるんです。でも『どうぞ好きにやってください』と言っています。プロ野球みたいな感じでストライクコールをやっていい。誰も怒る人はいません」。伸び伸び奮闘するのは選手だけではない。審判にとっても心地いい大会である。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
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