球速アップの鍵となる“肩甲骨の下部” 強豪シニア実践…怪我も防止する「YTW体操」

球速アップに必須な肩甲骨の柔軟性を高めるドリルとは(写真はイメージ)
球速アップに必須な肩甲骨の柔軟性を高めるドリルとは(写真はイメージ)

5度の全国制覇…取手リトルシニア・石崎学監督が推奨する「肩甲骨体操」

 投球において重要になるのが、肩甲骨周りの柔軟性。柔らかく使えなければ可動域が広がらず、球速アップや安定したコントロールも望めない。さらに肩関節などに負担がかかるため、怪我のリスクも高まる。全国制覇5度を誇る中学硬式の強豪「取手リトルシニア」の石崎学監督が、肩甲骨の下部に刺激を与える体操を紹介している。

 取手シニアが結成された2007年から指揮を執る石崎監督の本業はスポーツトレーナーで、怪我防止の観点から様々なメニューを取り入れている。投手育成で重視しているのが肩甲骨周りの柔軟性。柔らかければ、パフォーマンス向上と怪我防止に繋がっていく。

 チームの投手が励行しているメニューの一つが、肩甲骨の下部に刺激を与える「YTW体操」だ。選手はまずうつ伏せになり、両腕を親指を上にした状態で前方に置く。上から見ると「Y」の形になる。この状態で両腕を上げ2~3秒間、静止する。肩甲骨を寄せるとともに肩甲骨の下部を意識することが重要だ。

 次は両腕を肩のラインと平行にし、「T」の形を作る。同じようにこの状態で両腕を上げて2~3秒間、静止する。さらに肘を曲げて「W」を作り、同様の動作を繰り返す。「腕の角度を正確に。肩がすくんで首に入ってしまうことがあるので、肩を下げることを意識してください」と石崎監督は強調する。

 石崎監督によると、肩甲骨の下部が機能しないと肩甲骨が安定せず、肩関節などに負担がかかり故障に繋がっていく。「YTW」の動作を1セットとして、5回を目安に行いたい。パートナーと一緒に取り組み、アルファベットの形が適切かチェックしてもらうといいだろう。

「YTW」をうまく作れない場合は、腕を胴体側に置いて「A」の形で実施しても問題ないという。肩甲骨の安定に繋がる「YTW体操」を日々のメニューに組み込んでみてはどうだろうか。

(First-Pitch編集部)

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