球速が上がらない子どもの特徴とは？　不可欠な“お尻の力”生み出す「捻りと捻じり」

小笠原慎之介をプロに導いた長坂秀樹さん推奨…球速アップに不可欠な“お尻の捻じり”

　投手にとって速いボールを投げられるのは大きな武器だが、実現させるのは容易ではない。球速が上がらない原因の1つに、下半身の体重移動不足があるという。今季はMLBナショナルズでプレーした小笠原慎之介投手を中学時代に指導し、神奈川県藤沢市で野球塾「Perfect Pitch and Swing」を運営する長坂秀樹さんは「重要になるのがお尻の力です」と説明。ストレッチ要素を盛り込んだ、お尻を鍛えるトレーニングを紹介している。

　長坂さんは「体が突っ込んだり体重が十分乗らないままでは、ボールに力は伝わりません」と指摘。自宅でできる“お尻強化トレーニング”を推奨する。まずうつ伏せになり両手は後方45度くらいの角度で、手のひらを上にして地面につける。そして、片足を上げるように動かしながら、反対側の手にタッチする。

　最も重要なのは、足を上げるだけでなく捻じりを意識すること。「ポイントはお尻の力をキープしたまま捻じること。お尻に力を入れたまま手のひらに向かって捻じっていきます」。片方の足ができたら、反対側の足も同じ動きを繰り返すことで、左右バランスよく鍛えられる。

「お尻に意識が向くと、直線的な動きになりがちです。野球は捻じり、捻るスポーツなので重要になります」。このトレーニングは投球において軸足に体重を乗せ、重心移動する際に必要な「ヒップファースト」の動きにつながる。下半身の力を上体に伝達させることが球速アップの鍵を握る。

　トレーニングを続けるうえで、長坂さんが大切にしているのは“体との対話”。「ストレッチやトレーニングをする時は、自分の体に話しかけるようにやってみてください。幼少期から自分の体と会話できるような選手を目指してください」とアドバイスする。自分の体の動きを意識しながら行うことで効果的に「お尻の力」が鍛えられ、球速アップという目標に着実に近づいていけるだろう。

（First-Pitch編集部）