止まらぬ野球人口減少に危機感「整えるべき」 ラミレス氏が力説…増やすべき“機会”

「くら寿司トーナメント」で大会会長を務めたアレックス・ラミレス氏
元NPB監督も野球人口の減少に危機感を抱いている。全国1750の学童野球チームが頂点を争う「第6回くら寿司・トーナメント2025 第19回学童軟式野球全国大会ポップアスリートカップ星野仙一旗争奪」(くら寿司トーナメントポップアスリートカップ2025、NPO法人 全国学童野球振興協会主催)は7日、東京・神宮球場でファイナルトーナメントの準決勝と決勝が行われた。
決勝戦は東北第一代表の常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)が、名古屋ドジャース(愛知)を4-3で撃破。5年ぶり2度目の出場で初優勝を果たした。表彰式には大会会長で元DeNA監督のアレックス・ラミレス氏も登場。奮闘した選手たちにメダル授与などを行った。
サービス精神が旺盛なラミレス氏らしく、表彰式後は準決勝に残った各チームと記念撮影。保護者や関係者らとの写真にも、時には「ゲッツ!」など現役時代のパフォーマンスを交えながら笑顔で次々と納まり、絶え間なく続いたサインの要求にも気軽に応じ続けた。少しでも野球人気の上昇に貢献したい――。そんな思いが透けて見える光景だった。
「いろいろなメディアでも言われていますけど、野球人口は激減しています。野球の人気自体も下がっている。僕自身、野球というスポーツの中で育ちました。野球は素晴らしいスポーツ。より社会的な取り組みとして、野球をもっと好きになってもらうことが大切です。もっと野球ができる環境を整えるべきです。野球に接する機会を、もっと増やしていく必要があると思います」

自身も「ラミちゃんCUP」を開催「野球に恩返しをしていく」
ラミレス氏自身も2021年から小学4年生以下の選手が参加できる「ラミちゃんCUP」を横浜市内で開催。5回目を迎えた今年は9~11月にかけて開催された。横浜を中心に17チーム、293人が参加。「私自身も野球でよくしていただいて、大会もできるようになった。野球に恩返しをしていく。こういうことは続けていきたい」と力を込めた。
今大会については「凄く大きな大会で、野球をやっている少年少女たちの目標、モチベーションになっていると思う」と評価。「みんなが目標にしている大会に携わることができて、非常に光栄に思っています」と続けた。
日本で最初に所属した球団であるヤクルトの本拠地・神宮球場での大会。将来有望な子どもたちの躍動を目の当たりにし、「きょう、この神宮球場でプレーした子どもたちの中の何人かは、数年後にNPBでプレーするかもしれません。そういった選手がプレーしたのを見たのはうれしい。そういう選手が出てくることをとても楽しみにしています」と期待する。
願っているのは野球界のさらなる発展。「少年野球を含めたサポートは、もちろん続けていきます」。まず、必要なのは少年野球の充実。そのための尽力は惜しまない覚悟である。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/