球速アップに“ウエートトレ頼み”は危険? 肩周りを柔らかく…投げ込み前の「3種棒回し」

棒を使ったストレッチを実演する長坂秀樹氏【写真:編集部】
棒を使ったストレッチを実演する長坂秀樹氏【写真:編集部】

小笠原慎之介を指導した長坂秀樹さんが推奨…棒を使った肩甲骨ストレッチ

 球速アップを実現させるには、肩甲骨の可動域を広げることが重要だ。MLBのナショナルズで今季23試合に登板した小笠原慎之介投手を中学時代に指導し、現在は神奈川県藤沢市で野球塾「Perfect Pitch and Swing」を運営する長坂秀樹さんは、多くの球児が抱える悩みを熟知している。ウオーミングアップやストレッチの段階から肩甲骨を意識すれば、おのずと理想の投球が手に入るという。

 パフォーマンスを上げる手段として、ウエートトレーニングによるパワーアップに意識が向きがちだが、まずは体の使い方を改善することが重要だ。特に肩甲骨周りの可動域が広がれば、投球動作全体がスムーズになり、自然と球速アップに繋がっていく。

 長坂さんが推奨するのは、棒を使ったストレッチだ。棒は身長よりも少し長いものを用意する。竹ぼうきの柄や野球バットでも代用可能で、自宅でも手軽に取り組める。頭の上で手を広げるような形で棒を持ち、肘を曲げないのがポイント。次に頭の後ろ、前と前後に手を伸ばしたまま棒を動かしていく。常に上を向いて胸を張った状態を意識したい。

 この動作ができれば、次のステップとして棒を回しながら体の前後を往復させていく。体の前方よりも後方で大きく回すことを意識したい。さらに、ランジジャンプと組み合わせて行うのも、下半身が同時に鍛えられ効果的だ。長坂さんは「肩甲骨の可動域が広がると、胸郭も広がり体を大きく使えるようになります。そうなると、パフォーマンスも上がり怪我防止にも繋がります」と説明する。

 投球時に肩甲骨がスムーズに動くことで、肘や肩への負担が減り、体全体の力をボールに伝えられるようになる。このストレッチを毎日の練習前に取り入れ、継続することで肩甲骨の動きが改善され、投球フォームが安定し、球速アップや怪我予防に繋がっていく。

(First-Pitch編集部)

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