「打たれにくい」直球を投げるには? スピン量が激変…元G左腕が勧める“指先強化”

中学生を指導する前田幸長氏(右)【写真:小林靖】
中学生を指導する前田幸長氏(右)【写真:小林靖】

巨人などNPB3球団で595登板…前田幸長氏が推奨する「指先トレーニング」

 投手のトレーニングは多岐にわたる。ストレッチ、ランニング、体幹、ウエート……。どれも重要で欠かせないが、意外におろそかになりがちなのが指の強化だ。貴重な左腕としてNPB3球団で計595試合に登板した前田幸長氏が、スピン量を上げる指先トレーニングを紹介している。

 前田氏は、福岡第一高3年時の1988年夏の甲子園で準優勝。同年ドラフト1位でロッテに入団し、中日、巨人とNPB3球団で計19年プレーして78勝を挙げた。38歳シーズンの2008年にはMLBレンジャーズ傘下3Aで36試合に登板し、現役に幕を引いた。現在は中学硬式野球チーム「都筑ジャイアンツポニー」の会長として子どもたちの育成に尽力している。

 細身の体からキレのある直球を武器に、日米通算20年プレーした前田氏。「現役時代に140キロそこそこで、打者が打ちにくい球を投げられたのはボールの回転、スピン量もあると思うんです。大事にしていたのは指先のトレーニングでした。かなりやったので、それが生きたのかもしれません」と明かす。

 やり方はいたって簡単。グラブ側の手でボールを持ったまま、利き手の人差し指、中指、親指を使ってボールを弾く。実際に投げる際に、リリースでボールを弾くイメージを持って動作を繰り返す。空いた時間にどこでもできるトレーニングだ。

「投手には必要な練習がたくさんあります。その1つとして、ボールのスピン量を生みたいのであれば、指先まで鍛えることは重要だと思います」と語る。「球にキレがない」「直球が垂れる」と悩む投手はぜひ試したいメニューだ。

 近年は「ラプソード」などの弾道測定機器が普及。投球も数値化され、回転数の多い直球に多くのメリットがあることが実証されている。リリースの瞬間までボールと接している指先。質の高い直球を投げるためにも強化は欠かせない。

(First-Pitch編集部)

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