投手の肩痛を防ぐ「6つの動作」 強豪シニア実践…球速アップに繋がる“上げ下げ”ドリル

全国V5度の取手シニア投手陣が実践…肩周りを強化する“6つの動作”
野球上達への妨げとなる怪我。投げる動作が欠かせない野球において肩肘の故障防止に努めることは重要で、ケアや強化は子どもの時期から行いたい。5度の全国優勝を誇る中学硬式の強豪「取手リトルシニア」の石崎学監督が、肩周りを強化する“腕の上げ下げドリル”を紹介している。
取手シニアが発足した2007年から指揮を執り、全国屈指の強豪に育て上げた石崎監督の本業はスポーツトレーナー。その専門的知識を元にチームでは様々な怪我防止ドリルに取り組んでおり、投手は肩甲骨周りや股関節周りを柔らかくするメニューなどに日々励んでいる。
肩関節を形成する上腕骨や肩甲骨周りを強化するドリルは「6つの動作」からなる。両足を肩幅に開いて立った状態からスタートし、1つ目は、肘から先は下げ、手の甲を前方に向けたまま、両肘を肩のラインと並行になるまで上げる。
2つ目はそこから肘を支点に両腕を上げる。今度は手の平が前方を向く。肘の位置は肩のラインをキープすることが重要だ。3つ目は両腕を耳に付くくらい目いっぱい上げる。4つ目は2つ目の状態に、5つ目は1つ目の状態に戻し、6つ目は腕を下げる。「流れでやるのではなく、1回1回止めて動きを確認しながら行ってください」と石崎監督は説明する。
まだ力のない子は何も持たずに行う。少し負荷をかけたい場合は、軟式球や硬式球を両手に1球ずつ持つのがお勧めだ。筋力のある選手になると、5~6キロのダンベルを持ってこのメニューに取り組むという。6つの動きを1セットとし、10セット程度行いたい。
肩周りが硬いと、1つ目の動作の際に肩をすくめるような動作になりがちなので注意したい。柔らかくする方法として、両手の甲を腰に当てて肘を前方に出していくドリルも石崎監督は紹介している。
肩周りを強化することで怪我のリスクは減少。可動域も広がり、球速アップに繋がっていく。自宅でできる簡単メニューだが、効果は絶大。子どもの時期から取り入れたいドリルだ。
(First-Pitch編集部)
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