阪神Jr.の安打製造機は“生粋の虎ファン” 金属バットに即対応…元プロも驚く抜群センス

阪神ジュニアの山本怜唯【写真:橋本健吾】
阪神ジュニアの山本怜唯【写真:橋本健吾】

阪神ジュニアの玉置隆監督が絶賛する山本怜唯外野手「どんどん成長している」

 逸材小学生が集って日本一を争う「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」が、12月26日から29日にかけて神宮球場と横浜スタジアムで行われる。2022年以来2度目の優勝を目指す阪神タイガースジュニアで、注目を集めるのが山本怜唯外野手(6年)。チームNO.1の勝負強さを武器に猛虎を頂点に導く。

 岡山・大高少年野球部に所属する山本くんは右投げ左打ちの外野手で、試合終盤には投手としてマウンドにも上がる。物心ついた頃から阪神ファン。縦じまのユニホームに憧れ、タイガースジュニアの選考に応募した。試合形式の打撃練習ではヒットが出ず「やばい……。めちゃくちゃ心配だった」と落選も頭をよぎったが、投打の素質を評価され約300人が受けた超難関を突破した。

 憧れのユニホームに袖を通しただけでは満足できない。逸材が揃うチームのなかで、俊足強肩を生かした守備でセンターを守り、得意の打撃でも「センターライナーを目掛けて。長打が少ないので単打を打つようにしている。金属は芯で捉えないと飛ばない。芯に当てる練習をしてきた」と自信を口にする。

 NPBジュニアトーナメントでは、ウレタンやカーボン素材などを使った「複合バット」の使用が2022年から禁止されている。自チームでは複合バットを使い本塁打を量産する選手たちも、金属バットの適応には苦しんだという。2年連続でチームの指揮を執る玉置隆監督は「複合バットは詰まっても飛ぶ。金属は捉えるポイントが違うので、対応できずに悩む選手もいました」と振り返る。

 これまで数多くの選手を指導してきた玉置監督だが、山本くんの対応能力には目を見張るものがあるという。身長151センチ、49キロと小柄な部類に入るものの「センスはずば抜けている」と評価。金属バットにもすぐに対応し、これまでの練習試合でもヒットを量産。タイプの違う投手に対しても打席で試行錯誤しながら攻略の糸口を探る。

憧れのユニホームを着て投打での活躍を期す【写真:橋本健吾】
憧れのユニホームを着て投打での活躍を期す【写真:橋本健吾】

「チームに合流してからも、どんどん成長している。本番に強いというか、実戦で結果を残すタイプなのかもしれない。どんな場面でも1本出しますし、金属バットの対応能力が素晴らしい。打てないと思ったらバットを短く持つし、しっかり振る力もある。体は大きい選手じゃないが、体の使い方を知っていますね」

 本番に向け、山本くんは「打撃は苦しい試合の時に何でもいいから1本を出すこと意識して、投手としては強いボールを投げつつ、緩急をいれて打ち取っていきたい」と意気込みを表した。投打でまとまりをみせるタイガースジュニア。セ・リーグ王者に輝いた“本家”に続くつもりだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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