“手に合わない”ボールの握りは「肩肘痛める」　抜け球＆負担を減らす3本指グリップ

プロ30人超指導の高島誠氏が推奨…小学生の抜け球と怪我を防ぐ「3本握り」

　小学生や野球を始めたばかりの子が、直面する課題の1つがボールの握り方だ。縫い目にかける、深く、浅く握るのかどうか――。握り方の正解が分からない子どもたちは多い。だが、オリックスの山岡泰輔投手ら30人以上のプロ野球選手を指導してきたプロトレーナー・高島誠さんは「小学生用のボールでさえ、子どもの手には大きすぎて握りにくい場合もあります」と指摘する。

　高島さんは、ボールが大きく感じる子どもたちには、人差し指と中指、薬指の「3本で握ってください」とアドバイスを送っている。通常、子どもたちは人差し指と中指の2本でボールの上部を握りがちだが、それでは無理が生じる。2本で握ろうとして、余計に力むとスムーズな投球は生まれない。

　グリップのメリットは親指への負担軽減にもある。3本で握ることで「親指の支えがすごく減らせます」と高島さん。子どもたちは特に親指に力を入れて握りがちだが、それが逆効果になることがある。親指に過度な力が入ると、投球時にブレーキがかかり、ボールが抜けてしまう可能性が高まる。

　さらに重要なのは、親指に不必要な力が入った状態での投球は「肘や肩を痛める原因にもなるので注意が必要」という点だ。親指に力が入る過ぎると、肘の内側が張り、投球動作に入った際にも肩が詰まり、腕が上がりにくくなるという。

　将来的な肩肘の故障リスクを減らすためにも、適切なグリップ方法の習得は欠かせない。3本握りは技術面だけでなく、怪我予防の観点からも小学生に推奨される握り方と言える。体の成長と共に慣れていけば、2本の握りに移行しても問題ないだろう。

（First-Pitch編集部）