初出場3位の前年より「格段に上」 元プロも自信…四国の小学生を変えた“大旋風”

四国アイランドリーグplusジュニアナイン【写真:四国アイランドリーグplus提供】
四国アイランドリーグplusジュニアナイン【写真:四国アイランドリーグplus提供】

再び旋風を…2度目の大舞台に挑む四国アイランドリーグplusジュニア

 今月26日から29日まで開かれる「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」(神宮、横浜スタジアム)に出場する四国アイランドリーグplusジュニア(四国ILジュニア)に、今年も四国4県から16人の逸材が集まった。初出場ながら3位に入った2024年に続いて駒居鉄平監督(元日本ハム)が指揮を執る。セレクション以降、四国内外で練習試合を重ね、「昨年よりレベルは格段に上がっていると思います」と自信を滲ませる。

 20回目の記念大会だった昨年は、四国ILに加え、オイシックス新潟、くふうハヤテ、ルートインBCリーグの各ジュニアが招待チームとして初参加した。四国ILジュニアは、オイシックス新潟との初戦に8-2で勝利すると、くふうハヤテとの2回戦も2-0で完封勝利。NPB12球団のジュニアへ挑戦できる「Invitation枠」を勝ち取った。

 さらに、ヤクルトジュニアを3-1で退けて準決勝へ進出の“大旋風”。日本ハムジュニアに0-8で敗れはしたが、初出場ながら3位に輝いた。このときの経験を踏まえ、今年のセレクションでは「ピッチャーの子を多めにとりました」と駒居監督は語る。

「去年は(ヤクルトジュニア戦と準決勝が)同じ日にあったので、疲労が取れていない状態で投げさせてしまったピッチャーがいたことが反省点でした。勝つこと、良い歴史を作っていくことも大事ですが、まだ小学生ですので、身体のことも意識してあげないといけません。そういう意味で決勝まで戦うことを考えての選考結果です」

昨年大会の3位を超える成績を狙う【写真:喜岡桜】
昨年大会の3位を超える成績を狙う【写真:喜岡桜】

初出場3位がもたらした自信…“四国代表”としてのプライド

 昨年以上に「レベルは格段に上」と言い切る理由は他にもある。これまで四国には、全国レベルの仲間、練習環境を求めるのであれば「海を渡らなければいけない」という認識が少なからずあった。そのためジュニアを目指す子たちも、近隣のソフトバンク、広島、阪神のセレクションを受験していた。だが、「今年はそういうところを受けずに、うちだけに集中したという子もいました」と駒居監督が明かすように、その風潮に変化が起きた。

 昨年大会の中継を「見ていました」という沖本倫太朗投手(6年=高知・横内オリオンズ)は、「ここなら高いレベルで野球ができる」と感じ、セレクション合格を勝ち取るために練習をしてきたという。このチームで刺激を得て、地元・高知県の強豪中学に合格することが次の目標だ。

 今年8月の「全日本学童大会マクドナルド・トーナメント」に出場した岡崎大晟捕手(6年=徳島・桑島スポーツ少年団野球)も「四国から集まった良い投手の、それぞれの良さを引き出したい」と意気込む。父は徳島インディゴソックスの内野手だった稔弘氏で、“アイランドリーガーの血”が流れるジュニア選手だ。

 昨年の1期生がまとう空気はチャレンジャーとしての色が濃かった。だが、“銅メダル”を勝ち取り、四国の子どもたちに自信を与えてくれた。「今年は1戦目からNPB12球団のチーム。優勝を狙うのはもちろんですが、一戦一戦、大事に戦い抜きたいですね」と指揮官。四国4県の期待を背負う16人は、相手がどこであれ怯むことはない。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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