“言われてやる”練習で上達しない理由 元プロが振り返る分岐点「グッと伸びました」

野球教室に臨んだ森本稀哲氏、井口資仁氏、岩隈久志氏、今成亮太氏(左から)【写真:尾辻剛】
野球教室に臨んだ森本稀哲氏、井口資仁氏、岩隈久志氏、今成亮太氏(左から)【写真:尾辻剛】

日本ハムコーチの森本稀哲氏らが小学生に伝授…“自主的な練習”の重要性

 自主的な練習姿勢が、上達への近道となる。東京都西東京市の岩倉高グラウンドで2025年12月14日に行われた「GRAFARE(グラファーレ)ジュニア野球教室」に、日本ハム外野守備走塁コーチの森本稀哲氏、元ロッテ監督の井口資仁氏らが参加。24チーム241人の小学生を前に、森本氏は自身の小学生時代を振り返りながら自主的に練習することの大切さを説いた。

「小学4年生から野球を始めて、うまくなったと感じたのは自分から素振りをし始めてからです。素振りや走り込み、シャドーをやれば、うまくなるのはみんな分かっている。でも監督やコーチから『やれ』と言われてやるのと、自主的にやるのでは違います。僕は自分からやり始めて、グッと打撃が伸びました」

 最初は素振りが100回ほどでも、全力で振れば両手とも痛くなる。回数は徐々に増やしていけばいい。重要なのは向上心だ。指導者や保護者に言われてしぶしぶ取り組むのと、自ら率先して練習するのでは効果に違いが生まれる。NPB通算1272試合に出場し、三井ゴールデン・グラブ賞に3度輝いた森本氏は「まずは自分がうまくなりたいと思うことが大事」と力を込めた。

 自身の小学生時代について「みんなと一緒です。普通の野球少年だった」と振り返る。プロ野球選手になれた理由を「負けず嫌いだからです。『打ちたい』とか『練習したい』と思ってやったから」と説明。「負けたら悔しいよね。試合では笑いたいよね。そのために、きつい思いをして歯を食いしばって練習する。それを心に秘めて練習してほしい」と訴えた。

 小学生時代は軟式野球チームで捕手を務めていた井口氏も同意見だ。日米通算2254安打マークしたレジェンドは「何とかチームで一番になりたいと思って毎日練習していました」。チーム練習が終わった後に自宅の庭でティー打撃を行うなど、「他の選手ができない練習を家に帰ってやっていました」と明かした。

守備の動作を実演する今成氏【写真:尾辻剛】
守備の動作を実演する今成氏【写真:尾辻剛】

今成亮太氏も強調「今の実力はこれから先には関係ない」

 近鉄や楽天、マリナーズで活躍した岩隈久志氏も「野球ができる公園があって、チーム練習がない時も友達とキャッチボールをしていました。野球が大好きで、投手以外のポジションでもうまくなりたいと思って野球ばかりやって過ごしていました」。よく壁当てをしていたそうで、「打者が立っているとイメージしながら投げていました」と語った。

 壁当ての際もコースをしっかり狙って投げていたといい、「それでコントロールが鍛えられたのかもしれないです」と自身の武器の1つである制球力に言及。「壁に当たって戻ってきた球を『ショートゴロだ』みたいな感じで動いて捕っていた記憶があります」。貪欲な姿勢が日米通算170勝につながった。

 日本ハムや阪神で活躍した今成亮太氏は「僕は天才でした」と“衝撃発言”。「小学生の頃は打率.885。ホームラン92本」と驚異的な数字を紹介した上で、「プロ野球選手になってからは単打が多い打者。調子に乗っちゃったパターンです」と笑いを誘った。

「だからみんなも、今の実力はこれから先には関係ない。努力してくださいというメッセージです」。今は体が小さくても今後一気に大きくなって飛躍的に伸びる可能性がある。打順もポジションも野球スタイルも、小学生の時点で決める必要はない。

 元プロ野球選手の講師4人が示したのは、いずれも自主的な取り組みの重要性。日々の努力次第で、未来は変わっていく。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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