野球離れの「一番の原因は指導者」 桑田真澄氏が指摘…マイナー転落を防ぐ“対策案”

桑田氏が野球人口減少対策に持論…目指すべきは「最大より最適化」
元巨人のエースが、野球人口の減少に大きな危機感を口にした。ライブリッツ株式会社が主催する「デジタル野球教室」が2025年12月21日、東京都稲城市のジャイアンツタウンスタジアムで行われ、同年まで巨人2軍監督を務め、2026年からオイシックスのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任する桑田真澄氏がスペシャルコーチとして参加。硬式野球クラブに所属する中学生30人への指導後に、中学野球への期待と危機感について語った。
「中学野球の危機感は、非常に持っていますね。競技人口が5~6割減っているので、野球がマイナースポーツに陥る可能性がかなり高くなってきているなと思います」
野球人口減少の現状について「スポーツの多様化と少子化が言われてます」とする一方、「一番の原因は指導者、大人だと思っています」と指摘する。「『自分のリーグでなければ1年間試合に出させない』とか、変なルールがあると聞きます。変わり切れていない指導者がいて、王様のような感じでやっている。その辺が変わっていかないと、どんどん競技人口が減少していくんじゃないかと思います」。
高校野球で見てみると、日本高野連の加盟校数は2001~2006年は4200校を超えていたが、2025年は3768校。部員数もピークだった2014年の17万312人から減り続け、2025年は12万5381人となっている。
こうした状況について桑田氏は「どんどん減っていますよね。でも少なくなっているからダメだというのではなく、今まで競技人口が多すぎたと思います」と分析。「最大化を目指していたんですけど、今後は最適化を目指さないといけない」と続けた。少子化で子どもの数自体が減っている中、ただ野球人口を増やせばいいというわけではないのである。
「野球人口は日本の学生人口の中で、どれぐらいの人数が最適なのかという捉え方をしながら、今後の野球界の発展のためにやらなきゃいけないと僕は思っているんです。中学は何人ぐらいいて、高校は何人ぐらいが最適なのか。人数、学校が減っているという見方だけじゃなくて、最適な人数、校数という捉え方が大事だと思っています」

「中学生にはより効率的、合理的な方法で指導したい」
最適な人数については今後探っていくことになるが、中学生への指導では常に意識していることがあるという。「中学生は体ができていないので、(適切な)量は頭に入れて(指導して)います。練習量をたくさんしたらうまくなるという人もいるけど、僕はそう思っていない」。成長期だけに大きな負担はかけたくないという考えだ。
「例えば食事でも、人それぞれ消化能力が違う。どんぶり5杯を食べられる人もいれば1杯の人もいる。適量があるんです。そこを見極めています」。さらに体ができ上がっていない時期に猛練習するデメリットについて「へたな動きが体に染みついて覚えてしまうから、ずっとうまくならないんです」と説明した。
中学、高校の強豪チームの練習について「遅い時間まで練習して、帰ってきたら、あまり寝る時間もなく朝練。それは良くない」と指摘。心技体の成長に向けて重要なことは「練習して、栄養をとって、しっかり睡眠すること」と強調し、「中学生にはより効率的、合理的な方法で指導したいなと思います」と力を込めた。
根底にあるのは野球界のさらなる発展への思い。競技人口の最適化と、より効率的で合理的な練習を模索していくことが、ポイントの1つとなる。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
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