“伸びない送球”の原因は「回転軸のズレ」 現役プロも実践…体を縦に使う意識改革

プロ選手も参加…ディフェンスデザイナー・武拓人氏が実施した公開守備レッスン
内野守備において、スローイングに悩みを抱える選手は少なくない。強い球を投げようとしてもシュート回転したり、ボールが失速したりする。こうした課題に対し、守備特化型の「ディフェンスデザイナー」として活躍する武拓人さんは、プロ野球選手も参加した公開レッスンの中で、送球の質を高めるためのメカニズムを解説している。
武さんは2025年12月23日、「Ulunoabase プロ野球選手公開レッスン2025」を大阪シティ信用金庫スタジアムで開催した。阪神・高寺望夢内野手、2023年ドラフト1位のオリックス・横山聖哉内野手らプロ6人が参加。守備の基本から振り返るなど、中身の濃い自主トレーニングが行われた。
その中で、武さんが注視したのがスローイング。ボールが伸びない原因の一つに、回転軸のズレがあるという。「横から投げると、回転が横になり重力、揚力が重なってボールが伸びていかない」と指摘する。腕を横振りにして無理に力を込めようとすると、ボールに綺麗なバックスピンがかからず、シュート回転などの悪送球が生まれやすくなる。
そこで、武さんは「体を縦に使う意識」を選手に伝えた。具体的には陸上競技の「やり投げ」をイメージするとよいという。フレーチャ(矢に似た形をした棒状の器具)を遠くへ飛ばすように体を縦方向に使い、ボールに縦回転を加える。これにより、重力に負けずにボールが伸びていく軌道が生まれる。プロもキャッチボールの段階から、縦の動きの意識づけをしていた。

実戦では様々な体勢からの送球が求められるが、まずは基本となる縦回転の感覚を養うことが重要だ。「スローイングがよくなればバリエーションは増えていく」と武さん。捕球から送球への一連の流れの中で、基本的な体の使い方をマスターすれば、プレーの引き出しは増えていくはずだ。
シーズン中は感覚が敏感になるため、修正はリスクを伴う。「シーズン中はいじられないので、今の時期に基本を見つめ直す」ことが上達の近道になる。本来持っている肩の強さを十分に生かせていない選手も多い。このオフ、投げ方と意識を変えることで、春には見違えるような送球を手に入れられるはずだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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