「両手で捕る」は通用しない? 守備範囲にも影響…“過去の常識”を見直すべき明確な理由

ゴロを処理するオリックス・横山聖哉【写真:伊藤賢汰】
ゴロを処理するオリックス・横山聖哉【写真:伊藤賢汰】

阪神・高寺、オリ・横山ら参加…武拓人さんが昨年12月に開催した公開レッスン

 守備を教わる際、「ゴロは正面に入って両手で捕る」ことが基本とされている。しかし、動きの激しい実戦において、その形は本当に正解なのだろうか。阪神・高寺望夢内野手やオリックス・横山聖哉内野手らプロ野球選手も参加した自主トレを開催した「ディフェンスデザイナー」の武拓人さんは、これまでの常識に疑問を投げかける。

 武さんは2025年12月23日、「Ulunoabase プロ野球選手公開レッスン2025」を大阪シティ信用金庫スタジアムで実施。基本からトップレベルの技術まで、守備の極意を惜しみなく選手に伝えた。ノックの際には、片手捕球の重要性を説く場面があった。

 両手捕球が基本とされているが、武さんは「試合中に両手で捕球する場面はほとんどない」と説明した。両手で捕りにいこうとすると頭が下がり、打者走者や味方の守備位置などの状況が見えにくくなってしまう。また、「両手で動く動作は、間違いなく動きにくい」ため、打球へ寄るスピードが落ちるデメリットもあるという。

 武さんが推奨するのは、片手での捕球動作を磨くこと。片手であれば捕球ギリギリまで両腕を振って走れるため、守備範囲は自然と広くなる。「バウンドが変わった打球にも反応しやすい」という利点に加え、最も捕りやすいバウンドへ入っていく感覚も養いやすい。

 さらに、「打球に入るスピードが速くなれば、その分、余裕が生まれて送球にも繋がっていく」と解説する。両手で丁寧に捕ろうとすると動きが硬くなり、リズムが悪くなる。片手で打球に入ることで、送球動作にも余裕が生まれるのだ。

 もちろん、基本を疎かにするわけではないが、重要なのは選手がプレーを楽しいと感じられるかどうかだ。「やりづらいと思ったら、チャレンジ意欲はなくなります」。選手が「やりやすい、投げやすい」と感じるイメージを尊重し、型にはめすぎない指導で守備上達を後押しする。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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