素振りに潜む落とし穴「真面目な子ほど陥りやすい」 エラー動作を防ぐ“2つの設定”

打撃練習の基本、素振りに潜む弊害とは(写真はイメージ)
打撃練習の基本、素振りに潜む弊害とは(写真はイメージ)

菊池タクト氏と下広志氏が言及…素振りで起きやすいNG動作と改善策

 ただやみくもにバットを振るだけでは打撃スキルは上がらない。米国でコーチングを学び、現在はソフトバンクホークスでスキルコーチを務める菊池タクト氏と、東京の人気野球塾「Be Baseball Academy」で代表を務める下広志氏が2日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が開催したオンラインイベント「打撃改革3DAYS」に出演。打撃の基本とされる「素振り」に潜む“意外な落とし穴”について言及した。

 野球少年の日常である素振りだが、下氏は「努力する姿勢を否定はしない」と前置きした上で、「真面目な子ほど深みに陥りやすいです。回数で決めたりすると、例えば50回振ることが目的となってしまうので、黄信号だと思います」と断言する。

 具体的に素振りの何が弊害なのか。下氏は「力を出す場所のズレ」と「目線」を指摘する。

「真面目な子は小さくバットを振ろうとしすぎて、結果として力を出す場所が前になりがちです。素振りだと、ボールを打った反応がないので、どこで出力していいか分かりません。また、バットを振る時、ほとんどの選手は下を見ます。これだと、前の肩が入りすぎたり、極端なダウンスイングになったりと、人によってエラーパターンはそれぞれです」

 素振りしかできない環境下であれば、まずは目線を上手投げ投手のリリースポイントである前方少し上へ向けるだけでも、極端なダウンスイングは解消できる。そして、ミートしたい場所の真下にペットボトルなどの目標物を置き、そこで100%の力が出せるようにスイングすることで、より実戦に近いスイング軌道へ変わってくる。

「この2つを設定してやるだけでも、体の変なメカニクスを抑制してくれるので、フォームが劇的に改善することが期待できます」

イベントに登場した菊池タクト氏(右)と下広志氏【写真:編集部】
イベントに登場した菊池タクト氏(右)と下広志氏【写真:編集部】

バットを振り切らないからこそ…力の入れ所が分かりやすい「インパクトストップ」

 もちろん、プロや社会人、大学生であれば、目的を明確化しながら素振りを行うことも可能だろう。ただ、菊池氏は「小学生がここまでの意識を持ちながら一人で素振りをやれるでしょうか」と懸念する。

「素振りは有効な練習ではないというのが僕なりの見解です。何なら『高度な練習』の部類に入ります。小さな頃からやってほしい練習はまだ多くあります」

 そこで、菊池氏が推奨する打撃ドリルが2つある。1つは「ハンドアイコーディネーション」。バットを持たずにトップを作った状態で、上からスポンジボールなどを落としてもらい、後ろの手でつかみ捕る。見たものを正確にキャッチすることで、目と手の調整力を養うことが目的だ。

 もう1つは「インパクトストップ」。バットのグリップ上部を持ち、振り出しからインパクトの瞬間までの動きを一瞬で作って止める。素振りは振りきるからこそ、どこで加速させたらいいのか悩ましいが、インパクトストップであれば、力の入れどころが分かりやすい。

「下さんも仰っていましたけど、自主的にやっていることは本当に尊敬できます。ただ、チーム全体でやる素振りはあまり実にならないのかなと思います。強制力を働かせて練習するのなら、もう少し目的を明確にしてやるというのが重要ではないでしょうか」

 きれいなフォームで素振りを重ねることが目的になっていないだろうか。意味のあるドリルを繰り返すことこそが、実戦での安打につながる。「打撃改革3DAYS」は、今月16日まで毎週月曜日に開催されている。

「打撃改革3DAYS」開催中…少年野球で役立つ“明日から使える”指導法を紹介

 First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、2月2日、9日、16日の毎週月曜日、計3日間のオンラインイベント「打撃改革3DAYS」を開催中。「タイミングが合わない」「ミート率が低い」「遠くに飛ばせない」などの少年野球指導での悩みを、豊富な実績を持つ指導者・トレーナー陣がアドバイスします。参加費は無料。見逃し配信もあります。出演者などの詳細は以下のページまで。

【打撃改革3DAYS・詳細】

https://first-pitch.jp/article/well/batting/20260116/14403/

【参加はTURNING POINTの無料登録から】

https://id.creative2.co.jp/entry

(First-Pitch編集部)

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