北海道唯一の女子硬式クラブが人口2000人の町に拠点移した訳 目指す“一挙両得”

北海道唯一の女子硬式野球クラブチーム「ホーネッツ・レディース」【写真:石川加奈子】
北海道唯一の女子硬式野球クラブチーム「ホーネッツ・レディース」【写真:石川加奈子】

札幌市に隣接する喜茂別町に活動拠点を移したホーネッツ・レディース

 北海道唯一の女子硬式野球クラブチーム「ホーネッツ・レディース」が、主な活動拠点を札幌市に隣接する喜茂別町に移す。選手に仕事を紹介し、定住人口の増加や交流人口の拡大を図ることで地域おこしとチーム強化の一挙両得を目指す。【石川加奈子】

 札幌市中心部から車で中山峠を越えて1時間30分。チーム創設17年目を迎えるホーネッツ・レディースが、人口2000人の農業の町で新たなスタートを切る。両翼92メートル、中堅100メートルの喜茂別町営球場が無償で使用可能。2005年のチーム発足以来、札幌及び近郊の空き球場を探してきた高橋一彦監督は「これまで練習場を転々としてきたので、拠点ができるのはありがたいです」と感謝する。

 過去に金由起子内野手(全日本女子硬式野球連盟北海道支部長)、志村亜貴子外野手(埼玉西武ライオンズ・レディース)、山崎まり内野手(同)と日本代表選手を輩出。2013年には全日本女子硬式クラブ野球選手権で準優勝したが、現在の選手数は15~29歳の12人と決して多くはない。リーグ戦が活発な関東のチームに選手が移籍するケースもあり、継続的な選手の確保と定着に苦労している。

 喜茂別町との連携は、選手のスカウト活動においても有利に働くと高橋監督は考えている。「本州のチームのように、仕事を提供する環境をつくらないとなかなか強化できない」という悩みを解消できる可能性があるからだ。

喜茂別町長「できるだけ町の企業で働いていだだいて…」

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