セットポジションで上々の投球 中日松坂がワインドアップにこだわるワケ

中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】
中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

4日の楽天戦は31球全てセットポジション「マウンドに上がる直前に決めた」

 右腕から投じられる1球、1球に3万1282人の視線が集まった。3月4日、ナゴヤドーム。中日の松坂大輔投手が、楽天とのオープン戦で加入後初のオープン戦登板、そして本拠地初登板を果たした。オープン戦としては上々といえる観衆が集まり「平成の怪物」の現状、果たして“どれくらい投げられるのか”という点に関心が注がれた。

 内容としては、決して悪くはなかった。2回を投げて2安打2失点。アマダーに浴びた2ランは、追い込んでからのスライダーが甘く入り、相手が得意とする外角高めのゾーンにいってしまったことが原因だ。松坂自身も「僕のミス」と認め「シーズン中だったら、またちょっと違う攻め方をするんじゃないですかね」と語っていた。

 オープン戦はただ抑えるだけが目的ではない。バッテリー間でそれぞれ確認したいポイントがあり、その中で打たれた本塁打だった。シーズン中であれば、アマダーの大きな穴となる内角高めを突いていく攻め方も考えられる。そういった意味で捉えれば、打たれたことを大きく問題視することもないのではないだろうか。

 さて、松坂がこの日投じた31球は全てがセットポジションで投じられていた。ファンにとって、松坂といえばワインドアップのイメージが強いだろう。大きく振りかぶり、1度、2度と腰でリズムを取り、そこから投球フォームに入っていく姿を思い浮かべる人がほとんどだろう。だが、4日に関して言えば、その姿を見られることはなかった。

 松坂自身が登板後に説明した。

「今日は振りかぶっていこうかなと思っていたんですけど、前回もそうだったんですけど、セットポジションの方がバランスが良かった。投げやすい方を選んで、今日もマウンドに上がる直前に決めて、最初からセットでいきました。セットの時とバランスの違いというのが(あって)、(ボールが)暴れそうだなという感覚だったのでやめました」

ワインドアップへのこだわりを見せる一方で「ずっとセットでもいいかな」との思いも

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