大谷翔平は「野球を前に進めている」 二刀流&白星“歴史的1日”に球宴監督が異例の感謝
マウンドでは160キロ超を連発、2019年の田中将大に続く球宴白星
■ア・リーグ 5ー2 ナ・リーグ(日本時間14日・デンバー)
大リーグのオールスター戦は13日(日本時間14日)、ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドで開催された。エンゼルスの大谷翔平投手は「1番・指名打者」兼先発投手を務め、投球では160キロ超の剛速球を連発させて1回パーフェクト。試合後には勝ち投手に選出された。打者としても2打席立ち、彩った“リアル二刀流”。ア・リーグの監督を務めたケビン・キャッシュ監督(レイズ)は「ただただ畏敬の念を抱いているよ」と歴史の目撃者として証言した。
特別なお祭り舞台は、大谷で始まり、大谷で終わった。1回裏のマウンドでは、先頭・タティスJr.(パドレス)を左飛に。マンシー(ドジャース)をニゴロに打ち取り、アレナド(カージナルス)を三ゴロに抑えた。アレナドの打席では1ボール2ストライクからの4球目で最速100.2マイル(約161.3キロ)を記録。160キロ超の剛速球を連発させた。
1回表の先頭で迎えた球宴初打席は、サイ・ヤング賞3度のシャーザー(ナショナルズ)と対戦。2球目のカットボールを振っていったもののニゴロ。3人の内野手を一、二塁間に置いたナ・リーグ内野陣に阻まれた。それでも、打席前にナ・リーグの一塁ベンチへ手を振るなど笑顔を見せた。3回1死ではバーンズ(ブルワーズ)と対戦し、一ゴロに倒れた。5回に巡ってきた打席でJD・マルティネス(レッドソックス)が代打で入り、交代となった。
投げて打って大忙しで、キャッシュ監督も「気分が上がっている中でウォーミングアップし、打席に立った後、椅子に座って呼吸を落ち着けて……さらに特別だったのは彼のあらゆることへの対応力だね」と信じられない様子。さらに、大谷のベンチ内の姿にも触れ「他の選手たちと交流したり、メディア対応をしたり、そういった彼の対応力は非常に注目に値することだった」と語った。
世界を襲った新型コロナウイルス感染拡大によって、昨年の球宴は中止に。2年ぶりに戻ってきたお祭り舞台の主役となった大谷に対し、指揮官は「彼が野球のために、ファンのためにしていることに感謝しているよ。パンデミックなどいろんなことがあったが、彼の才能がまた野球を前に進めてくれている。大きな役割を果たしてくれている。本当に彼に感謝しているよ」と感慨深げに言葉を並べた。
メジャーの歴史を塗り替えた球宴での“投打同時出場”。降板後もDHとして出場できる特別な「大谷ルール」が採用された異例の対応だった。日本人選手では、1番起用は2010年イチロー(マリナーズ)以来11年ぶり、先発は1995年野茂英雄(ドジャース)以来26年ぶりで、いずれも日本人2人目。球宴で日本人が勝ち投手となるのは、2019年の田中将大投手(当時ヤンキース、現楽天)以来2人目で、昨年は行われなかったため2開催連続となった。
(Full-Count編集部)