「指導法がアップデートされていない」 全国V3度の名将が憂う少年野球の現実
全国屈指の強豪、京葉ボーイズの関口勝己監督は最新の野球理論を追求
千葉で活動する京葉ボーイズは2009年に創部し、これまでに3度の全国制覇を果たし、プロ野球選手も輩出している。少年野球指導のヒントになる考え方を紹介する連載「ひきだすヒミツ」で、チームを率いる関口勝己監督の指導理念などをお届けします。関口監督の第1回は社会人野球での経験に基づいた指導法について。「頑迷な指導法が子どもの成長を妨げる」と少年野球の指導者へ警鐘を鳴らす。
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少年野球の指導者を見ていて思うのは、自分が教えてもらったこと、自分がやってきたことをそのまま教えている人が多いということです。
野球の技術、指導法は日々、進化しています。かつてはダウンスイングでボールを上から叩き、ゴロを打つというのがバッティングの基本とされていましたが、現在では投球に対して強く正確に、レベルで(平行に)バットを入れて角度のついたフライ、ライナーを打つのが常識とされています。
ただ、いまだにダウンスイングを推奨する指導者は少なくありません。科学的な裏付けをもとに基本や常識が変化しているのに、「俺はこうやってきたんだからこうやれ」と指導法がアップデートされず、感覚的な指導をしているのでしょう。
そういった頑迷な指導法が結果的に子どもたちの上達、成長を阻む要因になっているように思えます。将来のある子どもたちを指導する少年野球の指導者こそ、最新の野球理論を勉強して、良いものはどんどん取り入れていく柔軟な姿勢が求められるのではないかと考えます。
少年野球においては強豪といわれるチームほど旧態依然とした指導をしていることが多いです。しかも高校、大学である程度の野球経験がある指導者ほど、経験に基づいた感覚的な指導をしているように思えます。私は社会人野球でプレーしたことは非常に良い経験だったと思っています。