常識を覆されたオリ山本の“アーム投げ” 子どもの成長に必要なのは「考える力」
連載「レッド吉田の“巡る”野球界」 7回目のテーマは情報の取捨選択
お笑い芸人・レッド吉田さんは現在、小学5年生の三男・運(めぐる)くんをプロ野球選手にする目標を掲げ、親子二人三脚で奮闘している。動画サイトなどでプロの技術をチェックすることも多いが、元ロッテの西岡剛内野手(現BC栃木)の捕球から送球への動き方に「常識を覆された」と興奮気味。またインターネットを中心にあふれる野球に関する情報の中で何を選ぶのか。吉田さんにはぶれない信念があった。
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ありがたいことに、僕は仕事でプロ野球経験者にお話を伺える機会に恵まれています。先日、仕事で一緒になった元ロッテ・里崎智也さんの考えはプロ向きだなと思いました。物怖じしないタイプなのは現役時代の姿から感じていましたが、里崎さんは常識で物事を考えていないんです。常識は今までの成功例という考え方です。
例えば、オリックス・山本由伸投手の投げ方は、僕らが野球をやっていた頃は「アーム投げ」と言われて専門家も否定的でした。ところが、山本投手が成功すると、多くの人がまねをします。常識は結局、成功した人を踏まえてつくられるもので、絶対にプロ野球選手になれる練習方法というものは存在せず、色々なことに自分で気付かないといけないと、里崎さんから伺いました。
この前、ロッテや阪神で活躍した西岡剛さんの動画を見た時も、僕の常識は覆されました。ゴロを捕球して送球する際、西岡選手は捕球したグラブを体の方に引かないんです。グラブの方に自分の体を近づけることで、自然とステップをして送球します。プロになる選手はベストな方法を自分なりに考えているんだなと強く感じました。
今はインターネットが普及して、野球に関する情報があふれています。あれもこれも、参考にしようと思ったら、一貫性がなくなって、親子で迷ってしまいます。そうならないように、どの情報を選ぶのか、僕なりの基準があります。それは、「考える力が付くかどうか」ということです。
教えてうまくなるのと、自分で気付いてうまくなるのは大きな差があります。壁にぶち当たった時に突き破れるかどうかは、考える力だと思います。それを踏まえて誰の練習方法がいいのか考えた時に、僕の頭に浮かんだのは元ヤクルト・坂元弥太郎さんの野球塾でした。この話の続きはまた次回にでもお届けします。
○プロフィール
レッド吉田 1965年10月30日生まれ、京都府出身。名門・東山(京都)で1983年の夏の甲子園に出場する。ゴルゴ松本とともにお笑いコンビ・TIMを結成し、バラエティ番組で人気に。野球が大好きで、5児の父としても奮闘中。三男・運(めぐる)くんをプロ野球選手にするために立ち上げたYouTubeチャンネル「レッド吉田の野球子育て奮闘記~めぐる巨人への道~」を開設中。
(First-Pitch編集部)
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