ワイルドカードで決勝進出 ホークスJr.・帆足和幸監督が打ち出したチーム結束法
1敗も優位性の高いチームを選出するTQBで決勝進出
小学生の軟式野球大会「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2021」で、ソフトバンクホークスジュニアが大会特別規定によるワイルドカードで、決勝トーナメント進出を果たした。前日の千葉ロッテマリーンズジュニア戦に敗れたが、29日に横浜スタジアムで行われた北海道日本ハムファイターズジュニア戦に9-1で5回コールド勝利。この得点数が大きく後押しし、優勝のチャンスが巡ってきた。
決勝トーナメントヘ進出チームの選出には、2試合の結果から優位性の高いチームを選出するTQB(Total Quality Balance)方式が採用される。(【総得点÷イニング数】-【総失点÷イニング数】=最も数値が高いチーム)。一度、負けているホークスJr.は大量点差での勝利が不可欠だった。
帆足和幸監督は試合前に「積極的に打っていこう。どん欲に次の1点を狙っていこう」と選手を鼓舞。その言葉に選手が初回から応える。先頭の岡田良太くんが安打で塁に出ると、続く島尻琳生くんが左翼スタンドへ先制2ラン。2回には4連打に盗塁を絡めて3点を追加した。最後まで攻撃の手を緩めず、2本塁打を含む9安打に8盗塁と足でも相手を揺さぶった。
5回コールド勝利に帆足和幸監督は「本来、本塁打が出るチームではありませんが、次につなぐ、次の1点を狙う意識が長打につながったと思います。走塁を重視した練習をしてきたので、積極的に走れたところもよかったです」と選手を称えた。
チームには全16人選手のうち、ソフトバンクがある福岡で普段プレーするのは7人しかいない。他の選手は九州各地、さらには沖縄でプレーしている。全体練習は土日のみ。チームの結束力を高めるために週に1回、オンラインでミーティングを重ねてきた。この日の試合ではベンチから大きな声で仲間を鼓舞し、出塁した選手はベンチに向かってガッツポーズ。チームワークの良さを感じさせた。崖っぷちから最後の1枠を手にした勢いに乗って優勝を目指す。
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/