中学野球は「悪送球ありき」 野手の“肩肘”守るための超攻撃カバーリングとは?

江戸崎ボーイズ・渋谷泰弘監督【写真:川村虎大】
江戸崎ボーイズ・渋谷泰弘監督【写真:川村虎大】

茨城・江戸崎ボーイズの危機感「今の中学生は投げすぎ」

 茨城・稲敷市で活動する中学硬式野球チーム「江戸崎ボーイズ」は創部5年目の2019年に全国大会4強、2020年以降は県大会負けなしと力をつけている。渋谷泰弘監督が大事にしているのがカバーリングだ。「中学野球は悪送球ありきで考えるんです」。そこには、勝利と育成を両輪で考える指導がある。

「カバー遅いよ!」「1歩目1歩目!」。休日の江戸崎ボーイズの練習は、二塁に走者を置いたケースノックに多くの時間をかける。悪送球や失策も時折見られるが、選手が指摘するのはミスそのものではない。カバーリングが徹底されているか否かだ。

「中学野球は悪送球ありきなんです。ビタビタ決まるに越したことはないですけど、肩肘の負担を考えると難しいと考えています」

 投手の肩肘の故障防止策として、球数制限を設けることは今や当たり前になった。だが、野手の肩肘について意識している人はまだ少ない。「野手だって投げすぎると故障するんです。今の中学生は投げすぎだと思います」と渋谷監督は訴える。そのため、悪送球したからと言って、何度も何度も成功するまで繰り返すような練習はしない。悪送球を見越してカバーを徹底させている。

時にはわざと悪送球して、守備の遅れを指摘することも

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