“おまけ”入学から名門校レギュラーに 強豪シニア監督が指導に生かす成功体験
静岡裾野リトルシニアの佐藤監督は小柄でも日大三高でレギュラーに
甲子園優勝経験もある名門校への入学は“おまけ”だったという。身長は160センチ台と小柄だったが、レギュラーを掴んだ。静岡・裾野市の中学硬式野球チーム「静岡裾野リトルシニア」の佐藤裕徳監督は、日大三高出身。中学時代は下位打線で平凡だった選手が東京都の伝統校でレギュラーになれた経験から、選手たちにチャンスを手にする方法を伝えている。
「中学時代のチームメートにスーパースターがいました。ポニーリーグで知らない人はいないというくらい有名でした。自分は中学で7番打者でしたし、その選手のおまけで入学しただけです」
佐藤監督は「謙遜ではなくて本当の話です」と笑顔で話す。10年ほど前からチームの指導者となり、今年1月にヘッドコーチから監督になった。チームは全国制覇を2度果たすなど毎年のように全国大会へ出場し、OBには楽天の鈴木大地内野手や元DeNAの石川雄洋氏らがいる。
佐藤監督は硬式ボールを弾き返すにはパワーが必要で、体が大きい選手の方が長打力という点では優位に立てると受け入れている。だが、体が大きくなくてもレギュラーを掴む手段はあることを、選手に常々伝えている。それは、自身の経験があるからだ。
体格で劣っても、甲子園優勝経験もある名門・日大三高でレギュラーだった。高校入学当時の身長は165センチにも満たなかったという。「周りは180センチ以上の選手ばかりでした。入部した瞬間、試合に出られるのかなと思いました」。守備と足には自信があった佐藤監督だったが、先発メンバーを掴むのには高い壁を感じていた。