なぜヤクルトは圧倒的に強い? 交流戦VをOB分析、鷹戦に見えた“明らかな差”

ヤクルト・高津臣吾監督【写真:荒川祐史】
ヤクルト・高津臣吾監督【写真:荒川祐史】

鷹コーチも務めた元ヤクルト外野手・飯田哲也氏が見た交流戦最終戦

 すでに交流戦優勝を決めていたヤクルトは12日、PayPayドームで行われたソフトバンク戦に3-0で勝ち、交流戦最終戦を白星で飾った。現役時代にヤクルトで走攻守3拍子揃った名外野手として活躍し、引退後にはソフトバンクのコーチも務めた野球評論家・飯田哲也氏が燕の戦いぶりを分析した。

 両チーム無得点で迎えた8回。ヤクルトが一気にたたみかけ3点を奪った。飯田氏は「ソフトバンクはヤクルトのことを、戦いづらくて嫌な相手だなと感じたはずです。巧くて強いと思ったでしょう」と指摘する。

 この回、ソフトバンクの3番手として登板した又吉に対し、先頭のホセ・オスナ内野手はファウルを3球打って粘り、フルカウントまで持ち込んだ。7球目に真ん中に入ってきた144キロのカットボールを打つと、打球はサード・野村勇の体に当たって左前へ(記録はヒット)。続く奥村展征内野手は、初球に送りバントを決め、1死二塁とした。ここで20歳の長岡秀樹内野手は変化球を強振し、前進守備を敷いたソフトバンク外野陣の頭を越える右中間への先制二塁打。さらに、塩見泰隆外野手が左中間へとどめの1発を放った。

「オスナの打球は強烈でしたが、ソフトバンク側の守備のミスとも言える。その隙に1発でバントを決め、流れが良くなりました」と飯田氏。相手のミスに乗じて好機を広げた、そつのない攻撃にうなずいた。

 長岡は初球ボールの後、ファーストストライクを叩いた。ヤクルト打線はそれまでにも、若手を中心にファーストストライクに対して積極的にバットを出していた。以降もファウルしたり、きわどいボールを見極めたりと、粘り強い攻撃を続けていた。

ヤクルトは「攻撃徹底」、ソフトバンクは「初球のストライクを簡単に見逃す」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY