「人生初」サヨナラ弾に隠された秘密 鷹・周東佑京の進化と長谷川コーチの助言
「前ほど振らないでも、しっかりコンタクトすれば、飛ぶようになった」
■ソフトバンク 3ー1 楽天(18日・PayPayドーム)
18日に本拠地・PayPayドームで行われた楽天戦に延長10回サヨナラ勝ちを収めたソフトバンク。首位攻防第2ラウンドで劇的な結末を呼び、チームを首位に返り咲かせたのは、パワーアップを遂げた周東佑京内野手のバットだった。
9回にモイネロがつかまり、同点に追いつかれたソフトバンク。イヤな空気のまま迎えていた延長10回、周東が一振りで試合を決めた。先頭の三森が左前安打を放って出塁。続く中村晃がバントを失敗し、1死一塁となったところで打席へ向かった。「なんとか後ろのバッターに繋いでいこうと思っていました」と言うも、後ろの打者は不要だった。
同級生の松井裕樹との対戦。「高校時代は雲の上のような存在だった」という左腕のボールを捉えた。2ボール2ストライクからの6球目。アウトコースを狙った真っ直ぐが抜け、インコースへ。コンパクトにバットを振り抜くと、打球は「ファウルにならないでくれ、と願っていました」という祈りが通じ、右翼スタンドへと飛び込んだ。「自分が1番予想していなかった」と驚くサヨナラ2ラン。頭が真っ白になったまま、歓喜の輪の中に飛び込んだ。
ヒットも含めて「人生初」というサヨナラ打に「こういう試合を最後に決めるというのは、やっぱりすごい嬉しいなと率直に思います」と頬を緩めた周東。昨年8月に故障で離脱し、9月に右肩手術を受けた。1軍に復帰したのは5月下旬。約8か月に及ぶリハビリ生活での進化が、この一発には隠されていた。