ジャイアンツカップで史上初の快挙 世田谷西リトルシニアの渡邉颯人が完全試合達成
強豪・東京城南ボーイズ、同じくU-15左腕・佐藤龍月と投げ合い
中学硬式の日本一を決める第16回全日本中学野球選手権大会「ジャイアンツカップ」(大会会長・長嶋茂雄巨人終身名誉監督)は15日、S&D昭島スタジアムなどで1回戦が行われ、世田谷西リトルシニアの渡邉颯人投手(3年)が名門・東京城南ボーイズ相手に完全試合を達成した。ジャイアンツカップ史上初の快挙となった(主催者調べ)。
渡邉は最後の打者を力強い直球で追い込むと、最後はスプリットで空振り三振に仕留めた。整列後にチームメートから完全試合であることを知らされた。「試合に集中していたので気がつかなかったです。(完全試合は)意識はしていなかったです」と試合後、心地よく汗をぬぐった。
前回大会(2019年、最近2年は新型コロナウイルスの感染拡大で開催中止)の優勝チームでもある世田谷西リトルシニアの吉田昌弘監督は「バッテリーでつかんだ勝利」と捕手の城大翔(3年)のリードも称えた。加えて、渡邉の野球への向き合い方がこの好投を導いたと評価した。
これまで取手リトルシニアや佐倉シニアらとの強豪と対戦した際に渡邉は1試合で2ケタ失点をすることもあったという。吉田監督は「なぜ打たれたのか、本人が勉強して成長した成果だと思います。ベストピッチでした。渡邉を攻略してくれた強い相手チームたちのおかげです」と感謝。打たれた春の試合後、渡邉は「簡単に打たれてしまったので、間合いを変えたり、球種を増やして磨いたりしました」と練習を積んだ。
対戦相手の東京城南ボーイズの佐藤龍月投手も世代を代表する左腕で、ともに侍ジャパンU-15日本代表に選ばれている。佐藤は球数制限(80球)もあり、74球で4回に1失点降板。こちらも3回に死球とバッテリーエラーで失点しただけで、打たれた安打はゼロだった。試合はその1点が決勝点となり、1-0で世田谷西リトルシニアが勝利。渡邉は7回を79球で試合を終わらせた。好投手の投げ合いが快挙を生んだ。