ジャイアンツカップ優勝は通過点 取手リトルシニア石崎監督が目指す指導のゴール

ジャイアンツカップ初優勝を果たした取手リトルシニア【写真:荒川祐史】
ジャイアンツカップ初優勝を果たした取手リトルシニア【写真:荒川祐史】

取手リトルシニアは「中学硬式野球の最高峰」の大会で頂点

 第16回全日本中学野球選手権大会「ジャイアンツカップ」(大会会長・長嶋茂雄巨人終身名誉監督)は20日、東京ドームで決勝戦を行い、取手リトルシニア(茨城)が5-3で京葉ボーイズ(千葉)を下して初優勝を飾った。中学硬式野球の最高峰とも言われる大会でチーム頂点に導いた石崎学監督には、「一番大切なのは友人関係」、「本当の結果は、まだまだ先」と勝敗よりも重視している指導がある。

 取手リトルシニアは決勝戦で、想定外の事態に直面した。初優勝まで残り2回。5-1とリードの6回から「2番・中堅」で出場していた絶対的エースの坂本慎太郎投手(3年)が、マウンドに立った。石崎監督が「普段、全然点を取られません。正直言って、1点でもリードして坂本につなげば、うちの勝ちは決まると考えていました」と話すほど絶大な信頼を置く存在だ。

 しかし、相手の京葉ボーイズも決勝まで勝ち上がってきたチーム。簡単にはアウトを奪えなかった。坂本は6回2死一、二塁から二塁打を浴び、2点差に迫られる。さらに、9回2死を取った時点で、投球数が39に達した。

 大会規定で、投手の球数は1日80球、2日連続の試合では計120球までに制限されている(上限の球数に到達した時の打者に対しては、最後まで投げられる)。前日の準決勝に先発していた坂本の場合、この日の上限は40球だった。あと1球多く投げていれば、あと1死の場面で降板しなければならなかったのだ。

 結局、坂本は最後の打者を右飛に打ち取り、胴上げ投手となった。石崎監督は「あれだけファウルで粘られるとは思っていませんでしたが、球数制限まで1球残すあたり、坂本にはヒーローとなる素質があったということでしょう」と胸をなでおろした。

取手リトルシニア石崎監督が結果以上に大切にする「球縁(きゅうえん)」

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