甲子園球児を支えたホテルマンが明かす強者の共通点 地元市民から愛された“人間教育”
主に埼玉、三重の代表校を受け入れてきた兵庫の「伊丹シティホテル」は来年3月をもって閉館
第104回全国高校野球選手権大会は宮城・仙台育英が、春夏通じ初優勝を飾り幕を閉じた。甲子園で起きる数々の熱闘を支えているのが宿舎だ。34年間、埼玉の代表校を受け入れてきた兵庫の「伊丹シティホテル」は来年3月をもって閉館する。チーム、選手の成長する姿を長年見てきた営業部次長・林宏明さんが思い出を振り返った。
元高校球児だった林さんは1987年のホテル開業と同時に入社。春、夏の甲子園で出場する埼玉県勢、1994年からは三重県勢も加わり、多くの学校の世話を担ってきた。1988年夏に初めて受けいれた浦和市立がベスト4に進出したことは今でも鮮明に覚えているという。
「高校生のひたむきな姿勢を、年が近かった従業員たちが重ねてモチベーションにつながっていた。地元密着のコンセプトでホテルがスタートしましたが、球児たちと共に歩んでいった感じです。伊丹市民の方々にも他府県からきた高校生を応援していく流れが徐々にでき、声援なども日増しに増えていきました」
なかでも、思い出に残っているのが、2013年に春の甲子園で優勝した浦和学院だという。