「僕は努力していない」 松井秀喜氏が子どもたちに伝えた“目標に向かうこと”の本質
NPO法人「松井55ベースボールファウンデーション」の野球教室を開催
日米通算507本塁打のレジェンドが、子どもたちにシンプルでわかりやすく伝えていた。巨人やヤンキースで活躍した松井秀喜さんが10月15日、母校である石川・星稜高で自身主宰のNPO法人「松井55ベースボールファウンデーション」の野球教室を開催。子どもたちからの質問コーナーで松井さんは優しく打撃についてアドバイス。遠くに飛ばす方法、空振りをしない方法、内角球のさばき方……小学生に丁寧に説明した松井さんの答えとは?
自身の経験を“噛み砕き”、子どもたちに寄り添っていた。イベントの終盤、参加した子どもたちは松井さんへの質問コーナーで盛り上がった。遠くへ飛ばす方法を問われると「強く打つこと、正確に打つこと、この2つだと思うよ」と回答した。
松井氏は子どもの時から現役を終えるまで、素振りで自分のバッティングを作ってきた。強いスイングは日々の鍛錬から生まれた。「正確に打つ、というのは、ちゃんとバットの真芯で当てること。(今後、野球を続けて次のカテゴリーに進んだ時に使用する)木のバットになった時、ちゃんと当てないと飛ばなくなるよ」とアドバイス。「あ、それと……」と付け加えたのは「いっぱい食べて大きくなろう」と自身の体を指差しながら、笑顔を見せていた。
高学年になってくると、投手の球も速くなってくる。それまでは容易にバットでボールを当てられていたが、空振りしてしまうこともある。「空振りをしない方法は?」との質問には「速いボールに対して、遅く(対応するスイングに)なると空振りしてしまう。なので、スイングを速くすることかな。手だけで振るのではなく、足で振る、下半身で振る感じかな」と身振り手振りで説明していた。
他に小学校の時にやっていた練習についても明かした。素振りに加えて「家にネットとトスをあげてくれるマシンがあったので打っていました。その2つを家でやっていました」と話すと、子どもたちは感心した様子だった。こうした練習の積み重ねがメジャーで成績を残した男の礎となっていた。