「酒でも飲みながら」 福留孝介の悩みを聞くはずが…潰されて「おんぶしてもらった」
2000年沖縄キャンプ…高代延博氏は2年目の福留孝介氏と夜の街に繰り出した
元メジャーリーガーで強打、好守の外野手として中日、阪神などでも活躍した福留孝介氏はプロ入り当時はショートだった。決して上手ではなく、当時、中日の1軍内野守備走塁コーチだった高代延博氏は早出特守、居残り特守を課した。何とかしたい。その一心だった。福留氏も必死に食らいついた。星野仙一監督はそんな2人の姿を見て、目を細めた。だが、なかなかうまくいかなかった。そこで気分転換も兼ねて、アクションを起こしたという。
「沖縄キャンプ中のこと。福留は2年目だったかな」と高代氏は苦笑しながら当時を振り返った。「あまりにうまくならないから、星野さんに『孝介は守備でパニクっているんで、ちょっと酒でも飲みながら話してみます』と言いにいったんです」。コーチになって以降、選手とプライベートでは一線を引き、一緒に食事には行かないことを基本ルールにしていたが、この時は、それを破ってでも、そうした方がいいと考えた。
星野監督には「なんでわざわざ、俺のところに来るんや。小遣いが欲しいのか」と言われたという。「いえ、違います。それくらいはいただいています。僕は普段、選手と飯を食ったりしないんで、食う時は監督に報告してから行くので」と答えると「そうか、そういうことか」となったそうだ。
那覇に繰り出した。だが、その結果は……。「孝介は酒が強い、強い。こっちの方が酔っぱらってしまった」。鹿児島出身の九州男児に見事につぶされてしまったのだ。