甲子園に戻ってきた「清原」は“千両役者” 同点2死満塁で打席…「ニヤリ」の理由
慶応・清原勝児は5打数1安打…父は甲子園通算13本塁打の和博氏
38年ぶりに“清原”が聖地へ帰ってきた。阪神甲子園球場で行われている第95回選抜高校野球は21日に3試合を行い、第3試合では慶応(神奈川)が、夏春連覇を狙う仙台育英(宮城)との今大会初のタイブレークを戦った末延長10回、1-2でサヨナラ負けを喫した。PL学園(大阪)時代に甲子園優勝2度、準優勝2度、史上最多の通算13本塁打を放った和博氏(元西武など)を父に持つ慶応の清原勝児内野手(2年)は、5打数1安打という成績だった。
試合開始前に雨が降り始めたにもかかわらず、内野スタンドはほぼ満席に。「5番・三塁」で出場した清原の名前がアナウンスされると、大観衆から拍手が送られた。「すごい応援があって、感謝して打席に立ちました」。甲子園初打席は、仙台育英の左腕・仁田陽翔投手(3年)が投じた2球目を叩き痛烈な左前打。さらに敵失で二塁まで進んだ。
慶応は5回に仙台育英へ先制を許したが、9回の土壇場で代打・安達英輝内野手(3年)が放った右越適時打で同点に追いついた。試合は延長10回からタイブレークへ。今大会からタイブレークの適用が延長13回から早められており、適用されたのは初めてだった。
「打順が良かったので、2番で送って3、4、5で2点は取りたい。相手が下位打線だったので2点取ればじゅうぶん勝機がある」とタイブレークへ臨んだ慶応の森林貴彦監督だったが、3番・渡辺千之亮右翼手(3年)が四球を選ぶも、4番・福井直睦左翼手(3年)は捕邪飛に倒れた。2死満塁で打順は清原へ。大量得点の好機でアナウンスされた“清原”の名に、球場からは「おぉー!!」と歓声が上がり、一部ではホームランコールも沸いていた。