侍の魂揺さぶった…源田壮亮“強行出場”の裏側 「折れているか、いないかではない」
2戦目の韓国戦で帰塁の際に右手の小指を負傷
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりの優勝を成し遂げた侍ジャパンの監督、コーチ、選手一行が23日に帰国した。感動的なシーンが多かった今大会だが、2戦目の「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」の1次ラウンド・韓国戦(10日、東京ドーム)で利き手の右手小指を負傷しながら、守備の要として強行出場を続けチームに貢献した源田壮亮内野手(西武)の姿は、チームメートやファンの魂を揺さぶった。
成田空港にほど近いホテルで行われた帰国会見。今大会で印象に残ったシーンを問われた源田は「決勝戦の9回2死、あと1アウトで世界一というところで、ベンチのみんなが身を乗り出し、前のめりで試合に入り込んでいた。そして優勝した瞬間、みんなが集まる景色が印象的です」と語った。だが、そんな優勝決定のシーンにも増して、源田の1つ1つのプレーは感動的だった。
韓国戦の3回の攻撃で、二塁走者の源田は相手投手のけん制球に反応して帰塁する際、右手小指を負傷。ベンチ裏で治療後いったんは試合に戻るも、4回の守備から中野拓夢内野手(阪神)と交代した。翌11日のチェコ共和国戦と、既に決勝トーナメント進出が決まった状況で迎えた豪州戦は欠場したが、準々決勝のイタリア戦からは戦列に復帰。以降の3試合はフル出場した。
守備のスローイングでは小指を使えない状態。打撃では皮手袋の小指の部分を切り取り、テーピングを何重にも巻いて太くなった小指を外に出すという、痛々しい姿で相手投手に立ち向かった。源田本人は報道陣の取材に「全然問題はないです」とあっけらかんとした表情で答えていたが、それほど簡単な状態でないことは誰の目にも明らかだった。