「ボール球を振るな」の声掛けに効果なし 選手を叱らず修正…中学日本一監督の指導法
東京・上一色中は強打を武器に昨夏の全国大会制覇
昨夏の全国大会で優勝した東京・上一色中の西尾弘幸監督は、選手に考えさせる指導を大切にしている。ボール球を振って三振した選手に対し「なんであんな球を振るんだ」とは叱らない。ストライクゾーンを確認する練習を提案し、選手自身に感覚を修正させる。
全国大会の常連で、昨夏は日本一も果たした上一色中は強打を看板にしている。安打を増やすためにはスイングスピードの強化なども大切だが、西尾監督はストライクとボールの見極めにも重点を置く。10日に講師を務めた野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントでは、こんなエピソードを披露した。
「選手の1人が試合で、膝から20センチくらい下の球を振って三振しました。試合後にボール球を振った理由を聞くと、『ストライクだと思いました』と返ってきました」
西尾監督は過去の試合で、その選手が同じようなボール球を何度か長打にしていることを思い出した。長打が成功体験として残っているため、ストライクゾーンにずれが出ていると考えた。こうした選手は珍しくないという。