「よくぞここまで…」古田敦也さんも称賛　コロナ禍に翻弄された球児の取り組みに感銘

コロナ禍で甲子園大会中止…3年前の球児が甲子園に集う

　新型コロナウイルスの影響で中止になった2020年の全国高校野球選手権大会。当時、悲嘆にくれた球児たちが立ち上がり、11月29日に甲子園球場で「あの夏を取り戻せ～全国元高校球児野球大会2020-2023～」を開催する。このイベントに元プロ野球選手も賛同。レジェンドたちがエールを送った。

　イベントは11月29日から12月1日までの3日間実施。2020年に各都道府県で行われた独自大会で優勝したり、上位に進出したりしたチームが参加する。甲子園を使用できる初日にセレモニーや練習、記念撮影、特別交流試合を行う。11月30日と12月1日は、兵庫県の複数の球場でそれぞれ1試合ずつ交流試合を開催する予定になっている。現時点で46チームが参加する見込みだ。

　この催しに、元プロ野球選手も賛同の声を上げた。その1人が元ヤクルト監督の古田敦也さんだ。18日に行われた会見に出席し、「よくぞここまでたどり着きましたね。考えることはできても実現することは難しい」と「あの夏を取り戻せ　全国元高校球児野球大会実行委員会」の取り組みを称賛。「お役に立てることがあれば」とエールを送った。

　ヤクルトで名遊撃手として鳴らした宮本慎也さんはPL学園2年時に全国制覇。「人生の全てを甲子園に懸けた3年間」と当時を振り返る。中止を経験した球児たちの「思いは想像できない」とし、「微力ながらお手伝いできれば」と語った。

　2020年までヤクルトで14年間プレーし、現在は母校の岡山・関西高のコーチを務める上田剛史さんも「悔しい思いをしました」と中止になった3年前を自分のことのように受け止める。自身は甲子園に4度出場しており「人生にプラスになる場所。悔しい、悲しい気持ちを晴らせるように祈っています」と寄り添った。

　参加するのは約1000人。しかし今回のイベントは、同世代の球児のみならず、全ての野球人の思いが込められたものになりそうだ。

（First-Pitch編集部）