【高校野球】緻密なプレーの積み重ね 横浜高校野球の真髄
8強が出そろった神奈川、渡辺監督が最後の夏迎える横浜は勝ち抜けるか
全国屈指の強豪がひしめく神奈川県大会は24日から準々決勝が行われる。小笠原、吉田の好投手がそろう東海大相模が2年連続で頂点に立つのか、実力校の桐光学園、横浜隼人、平塚学園か、それとも、横浜か。目が離せない戦いが続く。
とりわけ注目を浴びるのが渡辺監督が最後の夏を迎える横浜だ。
1998年に春夏連覇を達成したメンバーでは、松坂大輔(ソフトバンク)、後藤武敏(DeNA)、小池正晃(DeNAコーチ)らプロ野球の門を叩いた選手が多い。同校元コーチの小倉清一郎氏は以前、「あの時のメンバーが強かったのは、俺らの考える野球を理解できて、それをプレーできる技術があったから」と話していた。
横浜高校のグラウンドではあまり見られない練習方法が取り入れられている。例えば内野ノック。捕球をする直前にわざとジャンプ。着地してから取って送球する。渡辺監督は「正直なゴロは誰でも取れる。試合では予期しないことが起きる」と話す。突然のイレギュラーなどで目線がぶれたり、自分の型じゃない体勢になってもしっかりとボールを見続けて捕球、送球するための練習だった。
試合を想定した練習を常に考え、細かなところまで気を配っている。戦術面でもそうだ。
ある試合でのこと。横浜の攻撃でランナー二塁の場面でバッターが一塁側にファウルフライを打った。ファーストとライトが追い、ファーストがダイヤモンド側に背を向けて捕球。直後、二塁ランナーが迷わずスタートを切って、三塁へのタッチアップに成功した。