ミーティングで「個人名は出さない」 阪神Jr.監督が重視…大事な子どもとの“距離感”
2連覇を目指す阪神タイガースJr.…柴田講平氏新監督が語る指導論
セレクションを勝ち抜いた“精鋭”たちが集う小学生の夢舞台が、今年も近づいてきた。26日から「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2023」が開幕。大会連覇を狙う「阪神タイガースジュニア」で、今年から監督を務める柴田講平氏は「指導する際には言葉のかけ方を一番、意識している」と、ジュニア世代の指導論を口にする。
柴田さんは阪神、ロッテでプレーし2017年に現役を引退。その後は球団職員として「タイガースアカデミー・ベースボールスクール」のコーチなどを勤め、子どもたちに野球の楽しさを伝えている。初心者から中学生までの男女に向け、長年指導を続けてきただけに「子どもたちと野球をするのは本当に楽しい。悔しさ、喜びを一緒に分かち合える」と笑顔を見せる。
今回は連覇を目指すチームの指揮官として采配を振るうが「持っている能力は高く、素晴らしい子ばかり。それをどうやって生かすことができるか、引き出せるかが、我々の仕事。勝てば選手、負ければ監督の責任。伸び伸びとプレーできる環境は必要です」と語る。
メンバーは小学5、6年生が中心。思春期に入り難しい時期でもあるという。柴田監督は「全体ミーティングで個人の名前を出さないよう心がけている」とし、選手に何かを伝える際には個別で呼び出し対話をする。
練習や試合のミスを責めることもなく「ミスした原因は自分で理解している。わかっていない選手には言いますが、そこをあえてもう一度、掘り返す必要はない」。1対1で話す環境を作り、普段から子どもたちの“表情”には特に注視している。
2人の女子を含む計16人全員を戦力「誰が試合に出ても問題ない」
レベルの高い選手がそろうだけに、レギュラーを選ぶのも一苦労だ。監督として“起用したい”と思うポイントは「周りが見える選手」だという。「調子が悪い時でも切り替え、自分の姿を常に見せられる選手は強い」。プレー以外にも試合中のイニング間の動き、練習で守備に就く際の動きなど、細かい部分に目を配っている。
技術面では球際に強いことに加え、「難しい打球を普段通りのプレーでさばく」ことを求める。淡々と確実にアウトを奪う姿をみせることで、チーム全体にも安心感が生まれる。
2人の女子を含む計16人全員を戦力をとらえている柴田監督は、「誰が試合に出ても問題ない。大会に向け良い準備をしてもらいたい」と胸を張る。「アレ」を成し遂げた先輩たちに続き、年末の大舞台で最高の結果を残してみせる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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