2年間毎朝“餅10個完食” 庭にはサンドバッグ…本塁打量産の小6主将「勝利が全て」
DeNAジュニアに2年連続選出…主将としてチームを引っ張る井端巧選手
26日に開幕する「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CAP 2023」で、横浜DeNAベイスターズジュニアは、2016年以来、7年ぶり2度目の優勝を狙う。主将としてチームを引っ張るのは、井端巧選手(6年=元石川サンダーボルト)だ。井端くんは昨年、5年生ながらDeNAジュニアに選出。今年は約680人の中から再び16人の狭き門を突破し、大役を担うことになった。
「自分の売りはバッティングだと思っているで、実技セレクションで結果を出せたというのはよかったです。キャプテンという立場ですけど、個々の能力がすごくて、みんながキャプテンだと思うので、あまりそこは意識していないです」
悔しさを晴らす絶好の舞台でもある。昨年大会は全2試合ともに「2番・二塁」で出場するも無安打。チームは連敗に終わり、涙をのんだ。あれから1年。悔しさをバネに続けてきた努力が、実を結びつつある。
井端くんの父で、野球日本代表「侍ジャパン」の監督でもある弘和さん(元中日、巨人)の勧めもあり、自宅の庭で「サンドバッグ打ち」を実践。素振り後に50回ほど打ち込み、インパクトでボールを押し込むパワーの強化を図っているという。
その成果もあり「打球がちょっとずつ遠くに飛ばせるようになった」と言う。小学生で100キロが出れば速いとされるスイングスピードも、軽めのバットで140キロを計測。所属チームでも本塁打を量産する。憧れは同じDeNAのユニホームを着る牧秀悟内野手。「カーブとかをすくい上げる時に、柔らかく膝などを使えているので、そういうところを真似したいです」と目を輝かせる。
将来の夢は「お父さんのように尊敬される選手」に
驚異的な「食トレ」も欠かさない。小4から朝食で餅10個を平らげてから登校。身長170センチ、体重はこの1年間で10キロ以上増え、78キロ(現在は74キロ)にまで達した。「最近は(餅に)飽きてきたので、パンを食べています(笑)」。朝からたっぷりと栄養補給をし、堂々たる体躯へと成長した。
2年連続で中日時代の父と同じ「6」を背負い、今年は遊撃のポジションを守る。守備や打撃に関して、父からアドバイスをもらうことも多い。
「上半身だけでやることが多いので、基本は『下半身から』と言われています。守備もバッティングも上半身と下半身の連動を身につけていきたいんですけど、なかなかできなくて……。今、守備ではゴロを捕る時の左足の使い方、バッティングではバットを上から出すことを意識しながらやっています」
将来は「お父さんのように尊敬される選手」になることが夢と話す。そのためにも、まずは昨年叶わなかった頂点に立つことが目標だ。
「チームが優勝すれば何でもいい。自分の成績にはこだわらず、勝ちに必ず結びつけられるようにしたいです」
DeNAジュニアの今年のチームスローガンは「One~さらけ出せ!~」。井端くんは主将として「1番」にこだわり、持てる力のすべてをさらけ出す。
(内田勝治 / Katsuharu Uchida)
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