守備力向上へ、ボール回しは「軽視できない」 日本一監督が推奨する“短距離送球”
全国制覇5度を誇る中学硬式野球「取手リトルシニア」が取り入れる“短いボール回し”
チームの実力を図る1つの方法として、試合前のボール回しがある。素早いボールの握り替え、ブレない制球力、流れるような送球――。キャッチボールと共に軽視できない練習の1つだ。全国制覇5度を誇る中学硬式野球「取手リトルシニア」では、短い距離でボール回しを行い、送球力を向上させている。
ボール回しは送球、捕球を含めチームの守備力を高めるために必要な練習法だ。シニアの強豪・取手リトルシニアでは、塁間の半分から3分の2の距離でボール回しを行っている。チームの指揮を執る石崎学監督は「どの体勢で捕れば投げやすいか。どこに投げれば受け手が捕りやすいかを瞬時に判断できるように」と、意図を説明する。
そのなかでも、体重移動で送球するために足を止めるボール回し、ステップを使い力強い送球を行う2種類を行う。時計回り、反時計回りでも体の使い方や体重移動は異なってくる。例えば三塁手、遊撃手の併殺プレーは体が一塁側を向き送球するが、二塁手と一塁手では逆の動きになるため両方の動きを覚える必要が出てくる。
「ナイスボールというのは自分が目掛けた所に投げたことじゃなく、相手が投げやすい所に来たものがナイスボールだと話はしています」
距離を短くするのは判断力以外にも、肩肘の負担を軽減させ、投げる数を増やす意図があるという。強豪チームになればなるほど、一糸乱れぬボール回しで試合前に相手の戦意を喪失させることも可能。次のプレーを見据えたスローイングを身に付けることができれば、個々の守備力、チームワークは必ず上がってくるはずだ。
(First-Pitch編集部)
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