「基礎を飛ばして技術に走らない」 元プロ名手実践、送球も捕球も上達する“独り練習”

オリックスの安達1軍内野守備走塁コーチが大切にする「土台作り」
安定感ある守備を身につけるには、“基礎固め”が重要になる。プロ野球選手の華麗なプレーはどのようにして生まれるのか。オリックスの安達了一1軍内野守備走塁コーチは「基礎を飛ばして技術に走らないほうがいい」と、少年少女にアドバイスを送る。
ジャンピングスローや逆シングルキャッチなどの華麗なプレーは、カテゴリーが上がるほど必要不可欠なスキルといえる。ただ、専門知識や理論をネットや動画で簡単に学べる昨今は、幼少期から高い技術を求める傾向にある。
堅実な守備を武器にNPB通算1176試合に出場した安達コーチは「もちろん、技術を習得することは大事です。楽をして捕るという考え方もありますが、基本である足を使うことを覚えてほしい」と口にする。遊撃の守備で三遊間に飛んだゴロに対して回り込み、股を割って捕球体勢に入る。逆シングルで捕りにいきたい場面でも、まずは足を動かしボールに追いつく感覚を身につけてほしいという。
腰を軽く落とし、股を割る動作は体の柔軟性も必要。打球に追いつき、送球に繋げる“守備足”も内野手には必要な要素だ。基礎を反復し土台を作り、そのうえに技術を積み重ねていくことが成長の近道になる。
子どもたちには「壁当て」を推奨している。「コントロールもつきますし、投げる捕るの両方を鍛えられる。自分次第でショートバウンド、ライナー系も捕球できるので。あとは1人で黙々と時間を費やせる。1人で練習できることは大事です」。自身も野球を始めた頃から無我夢中で取り組んできたという。
球界を代表する名手は昨季限りで現役を引退。現在は指導者としてチームを支え“第2の安達”育成に力を注いでいる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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