球速アップを可能にする「捻じれの姿勢」 キャッチボール前に有効な“体幹分離スロー”

米国式野球アカデミー「Be an Elite.」代表の松本憲明氏が重視する「捻転差」
球速アップの“コツ”は上半身と下半身のねじれを作ることにある。投球動作に必要とされる動きのひとつが「捻転差」。夏に向けてレベルアップを目指す少年少女に向け、米国式野球アカデミー「Be an Elite.」代表の松本憲明氏が、上半身と下半身の分離動作を取得できる練習法として「セパレーションスロー」を紹介している。
投球フォームで重要なポイントは「捻転差」を作ること。捻転差とは投球時にできる体のねじれで、球速を上げるために必要になる。股関節、体幹、肩肘の順番で下半身からの力を上半身に伝えられれば理想のボールを投げることが可能だ。
現役時代に球速を143キロから最速151キロまで向上させた松本氏は「下半身と上半身の分離動作は必要不可欠。セパレーション(分離)の動きを体で覚えてほしい」と指摘する。そこで、分離動作を習得するための練習法として「セパレーションスロー」を推奨している。
まずは足を広げ、下半身を投球方向に向ける。次に上半身は肩を入れてトップを作り、最後は足を上げて投球する。体が硬い選手は上半身をねじる際に、骨盤が一緒に戻ってしまうので注意が必要だ。
「ひねりを作ることで、体幹部の筋肉が伸ばされます。それを維持したまま足を上げて着地する。伸びた筋肉を一気に縮めるイメージで投げることが大事。この動作ができれば体幹で投げることができ、負荷も少なく出力も高いボールを投げられます」
下半身と上半身が同じタイミングで回旋すると、力の伝達はうまくいかず「手投げ」や「ボールが抜ける」原因になる。「セパレーションスロー」はキャッチボールや遠投の前に取り入れることで、より効果を実感できるという。日頃の練習にも取り入れていきたい。
(First-Pitch編集部)
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